平和への祈り

節分も過ぎ、暦は春になりました。

先日身内との別れで帰省いたしました。

山頂は殊に冷え込み、外には一瞬粉雪が舞っていました。

広島は先般の豪雨による、芸備線鉄橋落下の復旧が終わっておりません。

車、バス代行運転はあるものの、市民町民の足となっていた為、

皆さん復旧を待ち焦がれていました。

被害の大きかった向原の川沿いを車で通過いたしましたが、まだ

鉄橋の橋桁が割れたままになっていたり、畑が砂にまみれて

いたり、家が流された跡も残っていました。

九州でも、既に何年も経ている東北でも、元通りとはほど遠い

状態だと感じています。

昨今の温暖化による豪雨が今後避けられないとしたら、復旧が

終わらぬうちに新たな災害も予想されます。

一日も早い復旧、復興、それに携わる工事の方々の安全をお祈り

しております。

 

広島は観光客が通年多く、ホテルも常にいっぱいだそうです。

市内ではやはり原爆ドームを訪れる方が多いそうです。

そこに手向けられた千羽鶴は有名ですが、

平和公園に届けられる折鶴は、年間約1,000万羽だそうです。
その届けられた折鶴は永遠に保管しきれませんし、もちろん廃棄

など考えられません。

そこで考えられたのが焼却するのでなく、粉砕機で粉砕し
お線香にした薔薇の香りのするお線香「折鶴」です。

素晴らしい発想ですね。

日本で一番お線香を生産している淡路島で生産されています。

お仏壇がなくとも、お部屋でその香りと想いを受けとれます。

こちらをご覧頂いて 慌ただしい日常のお疲れを癒してください。

折鶴 線香 - 平和の願いが、折り鶴の箱やピースペーパークラフト(原爆ドーム)、缶バッジ、線香に、平和学習教材に。

 

帰宅してあたたかいお風呂に入り、お布団で眠れる幸せをかみしめました。

jikoh.co.jp

 

 

平成最後の 初釜の茶会

平成最後の初釜は 久しぶりの雨の中 行われました。

お軸と道具を選んだ後、京都の美味しい招福楼の十二ヶ月風流弁当を頂きながら、

ああお酒があればもっと、などと和やかな内に始まりました。

お椀はすてきなお盆に載せて頂きました。 

f:id:renjikoh:20190208153757j:plain

「露堂々 大銘々皿 五客」(塗師)呉藤 友乗・山田平安堂(謹製) 

 寄付には梅沢 晴峨の「中三番叟 左千歳 右翁 三幅対」のひとつをかけました。

筑後柳川藩の江戸詰御抱絵師で、江戸木挽町狩野家晴川院養信に師事しました。

一気に能舞台にいる様なきりっとした心地となりました。

f:id:renjikoh:20190208154709j:plain

三番叟

本床には 今年の宮中歌会始の御題となりました「光」にあわせて

妙心寺派管長六百三十二世 山本 玄峰「寿光」となりました。

f:id:renjikoh:20190208155630j:plain

花入は主自ら青竹を尺八に整え、蓮の白侘助、紅梅で、紙釜敷の紅白と合わせました。

香合はその名も愛らしい 竹内 作二「お福 香合」

 

釜は 角谷 莎村 どっしりと、それでいてやわらかな雰囲気もいたします。

f:id:renjikoh:20190208160051j:plain

「竹地紋 姥口釜」

炉縁は 「時代 桑炉縁」

茶杓は 海野 宗泰(造)武田 士延(筒箱書)「妙喜庵宝暦年代の古竹を以て

 銘 千年寿 竹 茶杓

 

富貴(造)瑞應海母(漆書)

f:id:renjikoh:20190208160331j:plain

「若松長棗 銘 旭日」

お茶碗は、「祖母懐 茶碗(三島 筒茶碗)」

珍しい筒茶碗。

もう一つは 九代不昧流家元 有沢 宗滴。 

 

絵柄が愛らしいです。

f:id:renjikoh:20190208160550j:plain

「出雲焼 萬歳絵 茶碗」

加藤 民吉、吉左衛門景遠の次男、肥前の染付磁法を伝え瀬戸の陶祖と讚えらる方です。鮮やかです。

f:id:renjikoh:20190208161435j:plain

尾張焼 瑠璃 手付 水指」

 

f:id:renjikoh:20190208160819j:plain

f:id:renjikoh:20190208160837j:plain

「夜寒焼 山水染付 菓子器」こちらに 京都 政秋「ときわ木」を。

干菓子は 長野 山屋御飴所 「堂々引きねき飴」

これは添加物なしで、素朴でとまらない、口にとける美味しさです。

二代 村瀬 治兵衛「独楽 干菓子器」に。

あまり美味しくて写真を撮り忘れてしまいました。

「朱塗 小松 干菓子器」朱に、季節限定版「松崎煎餅」が映えます。

f:id:renjikoh:20190211134916j:plain

 

いつになく暖かな初釜でした。

来月はもう春めいているでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

心地良い秋晴れのもと、なごりの茶会を開きました。

寄付には喜多 武清の「鹿」を。
この方は古画の鑑定、模写もおこない、谷 文晁に学び、探幽の画風を喜び人物花鳥に妙。
挿絵美人画なども得意とされていたようです。
安政三年歿八十一歳江戸の人。

お席には 立花 大亀「秋山風月清」です。
脇には愛らしい秋の草花を。
ほととぎす、女郎花、野紺菊を生野 祥雲斎「紫竹みの虫籠 花入」にさしました。
大好きな籠もしばらく見納めかと思うと、名残惜しさがつのります。

風炉最後の釜は「浜松文 尾垂 富士 釜」
作家ものではありませんが、風炉同様、やつれ具合に風情があります。
「鬼耳 やつれ 風炉釜師 六代 木越 三右衛門の作品です。
金沢の釜師。初代正之 通称三右衛門幼にして横河長久(俗ニ名人九右衛門)に師事し冶業を習、
年十八の時、命により小立野天徳寺の梵鐘を造り大に賞誉競られた。鉄瓶を得意とし、
雅趣に富んだという。弘化二年歿。二代は、安政末年に藩の扶持を受け、御用釜師となり、
文久二年没。三右衛門という名は通称で、代々使われる。

今回結界を使いました。
結界もいろいろな形があって、いつかご紹介いたしたく。

薄器は夏目 有彦 「根来 薬壷」。

宗久(造)加藤 淡斎(筒書)「侘の心 竹 茶杓
加藤 淡斎 「信楽窯 水指」
やはりこの時期は信楽がしっくりきますね。




まさに詫びの彩りに一気に華やぎを与えてくれますのが、
両口屋是清「紅葉の舞」
中川 自然坊「粉引唐津 鉢」がさらにひきたてます。
干菓子は 豊作を念頭に
「蓮の実」「文旦漬」「柿日和」
素晴らしい組み合わせとなりました。
川本 光春(造)竹田 益州(箱書花押)「桑彫 俵香合」
こちらも豊作を念頭に選んだものです。
ころんとした愛らしい姿ながら、どっしり豊穣も感じ取れますね。

来月はいよいよ炉開きとなります。
蓮のカタログにもたくさんお使い頂けますお道具、書画が載っております。
無料につきどうぞホームページよりお申し込み下さいませ。
ブログに掲載のお道具書画も販売しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
皆様ご自愛の上、お茶の時間をお楽しみください。

蓮のカタログ202号は今週より受付が始まります。

秋のお道具、お軸、煎茶、彫刻、仏具はじめ、今月は短冊や色紙もたくさん掲載いたしました。
ぜひお手にとってご覧ください。

先日雨の中、根津美術館へ行って参りました。
企画展 「禅僧の交流」
美術館館蔵の墨蹟が中心ですが、無学祖元はじめ、中国の高僧と日本の弟子達の関係や交流を紹介しています。
若き日の雪舟の作品もございます。
また毎回の楽しみ、二階の茶室のお道具組み合わせですが、名残の茶 が素晴らしかったです。
他に 桃山時代の辻が花はじめ、慶長の小袖など、よくもまあ大切に保存を守り抜いてこられたなあ、と
感じ入ってしまいました。
こちらは常設の仏像もお気に入りです。
当日はあいにくの雨でしたが、多くの観光客が傘をひらいて
色濃くなった緑を楽しんでいらっしゃいました。

蓮の一品ご紹介いたします。
大観 文珠「六祖踏碓 画賛」
天保十三年歿七十七歳美濃生 丹波大梅山法常寺十世。臨済宗南禅僧堂開単。

やつれ風炉も珍しい形のものはいかがですか?
横河 三五郎(造)十二代 宮崎 寒雉(鑑箱書)「荒磯 鉄風炉(やつれ 風炉)」
寒雉は、加賀藩の御用釜師として寛文年間より続く家系で、茶人好みの重厚な釜が有名です。

暑い夏をのりきってのお茶会シーズン到来です。
ぜひ蓮のお道具、軸をご用命下さいませ。


参照:http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

2018年08月31日のつぶやき

雷雨の中、虫音の茶会を開きました。
これからの季節にぴったりのお道具やお軸が揃いました。

立礼にて、寄付には 風情ある虫の絵の 幸松 春浦「秋虫図」。
幸松 春浦は竹圃門、洋画、南画、それぞれの影響を受け新たな絵画を模索し、作風新鮮馴和を以て知られる、日本南画院同人。

脇には行灯の明かりうっすらと 秋の草花 蚊帳吊草、桔梗、風船葛が竹旬斎「掛花入」にいけられました。
香合は北川 敏楽「蓮の実 香合」 
思わず蓮の蓮の実で作ってみたくなりました。

中谷 博峰「瓢蒔絵 養老 茶器」
日本では殺生を禁ずる法令が六百二十二年に出され七百二十年(養老四年)大分の宇佐八幡で放生会がおこのわれたそうです。
上からの姿をご覧ください。

お茶碗は萊平焼「秋草 茶碗」
萊平焼は淡路焼、伊賀野焼ともいいます。京都で尾形周平に師事した加集萊平が始めました。
黄緑釉を施したものに特色があり、他に青磁・赤絵・彩絵物・朝鮮安南交趾写などがあります。
はじめて萊平焼に出会いましたが、味わいある焼き物でした。

茶杓は海野宗泰(造)松長剛山(箱書花押)「銘 清音 しみ竹 茶杓
蓋置は青磁の夜学の蓋置です。
行灯の灯りだけでのお茶会でしたが、水指は高野 昭阿弥「色絵 二閑人 水指」で鮮やかさが生まれました。
蓋をかけると裏に柘榴の絵が。
端にしがみつく二閑人が愛らしいですね。
一閑人(いっかんじん)は、井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついている。
閑人(ひまじん)が井戸を覗いているようなので別名「井戸覗き」ともいうそうです。
両側に人形があるものは二閑人、井戸枠だけで人形のないものは無閑人。勉強になりました。





お菓子は この時期旬のマスカットの「旬の雫」
瑠璃色の蓮華で頂きます。
干菓子は御山杉・焼印の四方盆に末富「行雲流水」と梅花亭「さざれ石」が
素晴らしいグラデーションになっています。




来月はどんなお道具と出合えるでしょうか?

 

2018年08月10日のつぶやき

お盆でお墓参りをされる方が多いと思いますが、*磬という仏具をご存じでしょうか。
広辞苑によりますと、【けい】「中国古代の楽器で、板や石をへの字形につくり、それを吊りさげて打ち鳴らす」
とありますが、太鼓類(膜の張ってある楽器)を除いた全種類を指す、体鳴楽器のことだそうです。
銅や響銅などの金属製碗状の本体を、一本の棒でうちます。
宗派、流派によって異なりますが、声明の合図に用いられるそうです。
同じ漢字で【きん】と呼ぶものは、読経の際に打ち鳴らす、銅製や鉄製の鉢形をした仏具で、銅鉢となります。

鳳凰文 磬」
時代有。彫りも細かいです。
高19×30.5×1.5

こちらは縁に「中原大宮檀方中明治四十一年七月中原山什四十一四」彫有。
高1.2×23.6×12.8

ブロンズレリーフもご紹介いたします。
朝倉 文夫 作。
女性像 レリーフ
台東区立朝倉彫塑館をご存じですか?
私は改装前に訪れておりますが、本当にくつろげる素晴らしい空間と御庭、日本家屋です。
厚1×径15.4

市橋 敏雄 作。
孔雀のレリーフ
新潟出身の作家です。
高30.3×27.4

今度蓮のブロンズ像たちも ご紹介いたします。

蓮では8/13〜19まで 夏期休業を頂きます。
お電話、FAX、メイルは通じますが、お返事は翌週になる場合が
ございます。ご了承下さいませ。
皆様 すてきな夏休みをお過ごしください。