書画取扱心得

?書画 箱書及極め

◆箱書 軸箱の蓋へ、筆者及画題を書くを箱書という。現代の人なれば筆者自ら之を書き、古書画なれば其系統に属するものか、又は純粋の鑑定家之を書くを常とす。而して箱書の法として、蓋の裏面 に署名捺印するものとす。◆極め 真跡たる事を保証する為に、其軸…

⑦書画 箱の種類

◆二重箱 内側は桐にて作り、外側はもみ又は杉の柾にて作りたる、所謂二重箱なり。◆印籠蓋 印籠の様に篏め込みの出来る様に作りたるをいう。◆文人箱 蓋は一枚の板にて、箱の内部の両側に樋を堀り、挿し込み得る様に作りたるもの。◆桟蓋 一枚板の蓋にして、其…

⑥書画 軸の種類

◆牙軸 象牙を以て作りたるを牙軸という。同じく牙軸にても種々あり。心のなき物をシン去りと称し、最優等品とす。次に皮の付着せるものを皮目と称し、二等品となす。又牙軸の心の処を去り、玉 形にて埋めたるを印杲軸と称す。◆春日軸 鹿角にて作りし軸の事な…

⑤書画 切地の称呼

◆金襴 金糸を混織したる上品なる織物。◆絽金襴 絽の様に織りたる金襴。◆竹屋町 絽金襴に比しヨリ多く目の粗き金襴の事。◆緞子 種々なる模様を織り出したるもの。◆金入り緞子 金糸を混織したる緞子なり。◆遠州緞子 普通の緞子よりは、やや太き糸を以て織りし…

④書画 表装の種類

◆丸表装 同一に切地を以て全体を表装したるをいう。◆大和表装 上下と中廻りと別種類様の切地を以て表装せるをいう。◆輪補 左右の柱が極めて幅狭きものの事。◆刳抜表装 小点の書画を表装するに当り、幅広き切地の中央を切り取り、其切り取りたる所へ書又は画…

③書画 紙幅の名称

◆全紙 画箋紙、唐紙、薄紙等の全面 に書きしもの。◆聯落 全紙の側面を三分の一か又は四分の一位切り落としたるをいう。◆半折 全紙を縦に中央より半截したるもの。◆細物 半折よりも一層幅狭く細長きもの。◆聯幅 極めて細長きものをいう。尤も聯幅なるものは、…

②書画 描画略

(1)一般的の画◆着色 墨を以て骨子となるべき部分又は輪郭等を描き、其他の部分に彩色を施したるものをいう。◆極彩色 濃厚なる絵具、乃ち群青、緑青等の類を以て、微細の点に迄彩色をなせるもの。◆淡彩 墨を以て大体を書き、その中の或部分或部分に、極淡泊…

②書画 絵画の種類

②絵画の種類◆緑青 山水中の樹木及草花の葉等に用いる緑色の絵具をいう。◆白緑 主として木葉を描出するに用いる所の、少しく白味を帯びたる緑色の絵具なり。◆朱 多く人物画に使用する朱色の絵具なり。◆紅脂 赤色の花等を描くに用いる赤色の絵具なり。◆代赭 樹…

①書画 一般的用語

本日から9回にわけ、書画取扱に関する用語集を更新してゆきます。 不定期ではございますが書画取り扱いに参考にしていただけたらと思います。①一般的用語◆本筋 正真正銘のものを称して本筋という◆二番物 偽物贋作の事。◆通り物 偽物贋作たりとも、正真正銘の…