「史上最高額」の写真家 アンドレアス・グルスキー

大盛況のグルスキー展ですけれども、さっそく足を運びました。人が多かったですね。

Andreas Gurskyは、ドイツ・ライブチヒ 1955年生まれ。
写真史に「タイポロジー(類型学)」という新しいジャンルを確立した巨匠ベッヒャー夫婦に師亭し、現在現代アート分野で世界的な名声を得ています。

作品『ライン川 ll』が430万ドル(約3億3300万円)で落札され、史上最高額の写真作品となった話題が記憶に新しいです。
今回なんと日本初の個展(!)だということで『ライン川 ll』も来日しています。
しかし、ここまでの巨匠でも、日本初の個展。
現代美術も現代写真もなかなか…日本では時間の流れがゆっくりしているのでしょうか…と思うと同時に、それは彼の作品の大きさにも由来している訳ですね。

「ビックピクチャー」といわれる彼の写真は、2,3mはあるものも多く、まるで1枚の絵画のように、身体を取り巻く巨大な壁として鑑賞者に対峙します。
巨大な風景は、自然も人工も俯瞰し全体を掌握し得ますし、近づいてその詳細も凝視できます。
輸送が大変なのですね。

均一、連続性、全体性の画面の中の新即物主義的なまなざしに、自然と消費社会を交差させています。
彼の作品はエディションもわずか数枚しか作りません。『ライン川 ll』は6枚エディションがあり、4枚は世界の美術館が所蔵、2枚を私的所蔵用にしたうちの1枚に、世界一の値がつきました。
写真であるのに、数がないという点で、絵画と同じような価値を持ちます。


作品量も多く、多様な見方ができると思います。
新作の海のシリーズも来ていましたね。
足を運ばれるべき展覧会です。

アンドレアス・グルスキー 展@国立新美術館
2013年07月03日 〜 2013年09月16日
http://gursky.jp/

2014年には大阪国立国際美術館で個展も予定されているそうです。