木喰仏 微笑の誘い①


今年の夏、北海道から鹿児島まで日本全国にて千体以上彫られたという木喰上人の「木喰仏」を見に越中を回ってきました。言葉にならない程感動しました。
二回に分け、記事に紹介致します。

木喰仏を彫られた木喰上人は、山梨県身延生まれで、生涯に三度改名し、木喰五行上人、木喰明満上人などとも称し、遊行僧として日本全国を旅し、訪れた先々で一木造の仏像を刻んで奉納しておられました。
江戸時代後期に活躍した木喰上人は、伝統的な仏像彫刻とは全く異なった様式を示した円空上人の荒々しく力強い円空仏に強く触発され、仏像彫刻の道を歩みはじめました。
ノミの跡も生々しいものや、装飾性を省いた簡潔な造形に、クセや味わいをいかしたやわらかく人間味のある深い宗教的感情が表現されています。
木喰上人より1世紀先輩の円空仏とともに野性味ある荒削りではありますが、円空仏に比べると、木喰仏は温和でより庶民的で、時にユーモアさえ感じさせるように微笑んでいます。
中でも生涯に二度訪れた新潟県内には約260体もの仏像が残っています。
車を飛ばして長岡市へ。

まず長岡市の「上前島金毘羅堂」へ足を運びました。

住宅地の一角にあるお堂で、全国で最多の36体の群像を有するお堂です。

どの仏像もかなりすり減っています。その理由は子供たちが遊び道具にしたからだそう。浮き代わりに川に入れて泳ぎ、裏が大きくくりぬかれた自刻像は乗り込んでソリにしていたそうです。
川で仏像がどんどん流されて行っても、下流の村の方が拾い上げて届けてくれていたそうで、ひとつも欠けていないと管理されている青柳さんがお話して下さいました。

幸運なことに、私も触らせて頂きました。
地元の方々が大切にしっかり管理されていて、事前に問い合わせの上訪問すべての場所に向かいました。

お次ぎは長岡市郊外にある寳生寺(ほうしょうじ)に。

創設千年を数える古刹、三十三観音像(うち1体は明治13年の火災の際に盗難に遭い、現在32体が残る)と、木喰上人自らの姿を写した自刻像がありました。
こちらは撮影できなかったので、写真はなくあしからずです。

境内に石塔婆がありました。
境内にある大きな銀杏の木を見て西国三十三観音像の刻彫を木喰上人から住職に願い出て彫られたそうです。線香の煙や、火災などで、すすにあぶられ黒く焼けた姿が並ぶのは圧巻でした。上人87歳の円熟した作でありました。お寺の方に大変丁寧にご説明を頂きました。

慈悲深く微笑みながらも、同じ表情のものはひとつとしてありませでした。
仏像巡り後半はまた後日記事にて…

越中木喰仏情報詳細情報はこちらへ
http://www.niigata-kankou.or.jp/feature/mokujiki/

本日は蓮から木彫作品のご紹介です。



作品名:「木彫 神鹿」
作家名:太田 昭夫
内寸:高38×33×12.8
メモ 1:角取り外し・状態良(角付根と胴体一ヶ所にヒビワレ極少)共裂・共箱(雨シミ少々)角用別箱添
作家詳細:奈良の木彫家、鹿に長じる。祖父は漢学者、父は日本画家。昭和六十三年歿五十八歳。家族より作品を奈良大学博物館に寄贈された。
商品番号:91409505



作品名:矢崎 虎夫
作家名:「楠彫 良寛
内寸:高16.9×19.8×13.2
メモ 1:状態良・底に彫銘・昭和三十五年共箱
作家詳細:平櫛田中に師事、渡仏しザッキンに師事。陶彫副会長、院展他入賞、晩年は仏教を主題に木彫像を制作。昭和六十三年歿八十四歳長野生。
商品番号:91407095


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