木喰仏 微笑の誘い②

越中木喰仏巡り第二弾です。(旅の前半記事はこちらへ)
お次ぎは長岡市小国の真福寺(しんぷくじ)へ向かいました。
階段をのぼり、夏の蝉たちが大合唱している杉林の参道を行くと…

一木造り仁王尊の巨像が納められた仁王門が現れました。
1本のケヤキの木から作られた、阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)はそれぞれ2m40cm余りもの高さがあり、一木作りとしての木喰仏の中では最大のものです。

山門の中をのぞいて…あまりに人間味にあふれる姿にときめきで唖然としてしまいました。
固いケヤキの作りで、87歳の木喰上人は10日間あまりでこの2体を完成させたそうです。
百貫以上もの木を相手になぜ一人でできたのか、未だ謎です。木材を池に浮かべてくるくると回しながら彫ったという伝説もあります。
寳生寺さんで聞いたお話には、多分お付きのお弟子さんのような方がお二人ほどいたのかもしれないとおっしゃっていました。


木喰仏らしい大胆な造形。細部のバランスよりも、仏像を塊でとらえたときのマッス、ダイナミックさを大事にして造られているのが、手足の表現から伝わります。仁王像と言えば、これでもかと隆々に盛り上げられた筋肉美が特徴ですが、木喰仏のにじみでるような温かさにコミカルささえ感じられました。

最後は「牛の角突き」で知られる小千谷(おじや)市へ。

街を見下ろす静かな山手に佇む小栗山木喰観音堂。高さ2m44cmという大きな本尊の如意輪観音のほか、大黒天、行基菩薩、32体の観音が安置されています。35体の仏像は1本のイチョウの巨木からほぼ一ヶ月で彫り出されたものです。三面馬頭観音、十一面観音など特徴ある姿の仏像も印象的でありました。
柳宗悦が「まさに木喰円熟期の作品」と語った。

拝観させて頂いた日は、お堂から歩いてすぐの闘牛場での闘牛の前日であったらしく、お忙しい中でも、管理されている地元の方にとても丁寧に分かりやすくご説明を頂きました。

観音堂近くの闘牛場に立派な牛さん達がいました。)
つねに沢山の方が越中まで木喰仏を見に足を運ばれているそう。東京、北海道、九州や、NYなどからも見に来られているそうです。
2,3世紀は昔の木喰上人からにじみ出るような微笑みを目の前に感じることのできるすばらしい旅でした。これからももっと長い時代の中に、地元に大事に保管され続けていてほしいと願います。

今回は4箇所をまわりましたが他にも11箇所の木喰仏観光施設があります。
越中木喰仏情報詳細情報はこちらをご参考に。
これからの季節のお出かけには雪にご注意下さいね。

では、蓮からの本日のご紹介


作品名:鹿内 芳洲
作家名:「木彫 風の夜」
内寸:高27×27.5×13 cm
メモ 1:状態良(縁スリキズ少々、ホコリヨゴレ少々)台座裏に「題名20.6.7」彫有・かすれているが題、作家名貼紙有・元箱入(古いラベル有)
作家詳細:木彫。前田照雲門、新海竹太郎に師事。五星会展出品、大正十年に芳洲木彫会開催、白曜会展出品等いずれも好評を博し、新進として注目。昭和二年には帝展入選。東京彫工会展、日本美術協会展、翼画会、日本芸術院展などに多くの秀作を出品した。明治三十一年弘前生。
商品番号:60713038



作品名:原田 宰慶
作家名:「木彫 翁」
内寸:高18.3 cm
メモ 1:状態並(ホコリヤケ少々、側面水シミ極少、扇角アタリ極少)底に彫銘・共箱
作家詳細:四天王寺彫匠、雅亮会会員
商品番号:91312002
※こちらの商品は売約済みです。

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