2013年炉開き

11月27日水曜日 宗和流炉開き茶会お稽古をいたしました。
本年も霜月、大切な行事「炉開き」を無事迎えることが出来ました。
閑寂幽遠の名残から一転、一陽来復の有卦に。

本床掛物は、匡堂 良純「山呼萬歳声」
山は呼ぶ萬歳の声。
前漢武帝が元封元年(前百十年)正月に五岳の一つ河南省の崇高に上って山を祀り、国家安泰を祈ったとき、臣下たちが高らかに万歳と声をあげ、その歓呼の声が全山にこだまして「万歳、万歳、万々歳」と聞こえたという故事に基づく。祝語であり新年や祝いの席でよく見掛けられる語であります。


寄付掛物は、青木 木米「秋景山水図(甲申仲秋画於鑑水樓中)」

細筒花入 大樋長左エ門。花は椿です。
最近知ったのですが、椿には、お茶の木とヤブツバキの交雑種と思われる「炉開き」という名の種があるそうですね。見てみたい。

香合は 橋本 永豊「開扇 香合」、康麿「沈香 香合」。


丸釜 炉用「丸釜 炉用」
このように釜の口が立口(たちくち)、輪口の類の場合は、合を中に落としてかけます。

炉縁は、村田 宗覚「遠山蒔絵 炉縁」

「吉野棚」

藤井 誡堂(筒箱書)「シミ竹 茶杓 銘 初霜」
そして菓子器の上にかわいい「うりぼう」。

菓子器は「天龍寺青磁 皿」
菓子は鶴屋吉信「亥の子餅」大変おいしくいただきました。
「亥の子餅」は亥の月(旧暦10月)に食し、 無病息災のまじないとした中国の俗信に基づいて、平安時代に宮廷の禁裏にて行われたのが始まりと云われております。
亥は陰陽五行説では水性に当たり、火災を逃れるという信仰があります。このため、炉開きの茶席菓子として用います。玄猪餅とも云います。
干菓子は杏仁餅、紫芋かりんとう
茶碗は、上口 愚朗「茶碗」

上口 愚朗……「谷中の奇人」が作る古典の再現、原料、釉薬、灰も自作、素焼きもせずサヤも用いません。戦後「自分の生れた上野の山の粘土でどんな茶碗が焼けるか」又大名時計は生涯收集、大名時計博物館を設立。昭和四十五年歿七十八歳東京谷中生まれ。

趣があらたまりますね。
早いもので、次回お稽古は年明けとなります。
先生、ご一緒にお稽古参加して下さる皆さま、本年もご縁に感謝致します。