秋 観月の茶会

秋雨の降る中で、今年最後の風炉での稽古でした。

古備前写 花瓶」花は菊、水引草です。先生が活けてくださいました。
普通は嫌がられる菊ですが、花入がどっしり構えているので、菊で重心を合わせてシンプルにいけるのがコツとのことでした。

寄付には、

「我心似秋月(拾得水看月図)」堂本 印象
帝展審査委員・日本芸術院会員、日本画における純粋抽象画を追及す、又多くの障壁画を残す。昭和五十年歿八十三才京都生。

本床

「都には みやこのとのと ながむらむ わがやまさとの 秋の夜の月」三輪 経年
名古屋小牧の旧家、山本屋に生れる、植松茂岳に従学し、歌詠に名あり古筆を愛し鑑識に富む。杉蔭社を興し後進を導く。


「菊桜 鎌倉彫 香合」

「時代 千筋 富士釜」
「真塗 道安面取 土風炉
茶杓「銘 野分」大徳寺 福聚院住職 佐藤 朴堂
蓋置「引切竹」
建水「高山 建水」

「ろくろ目 水指」二代 池田 瓢阿 作


「楽久山窯 粉吹茶碗」清水 楽山
重さも良く、たっぷりとかまえたお茶碗でした。
清水 楽山は、京都五条坂で陶工として修行、昭和初期自宅四日市に登り窯を築きました。
のち遠州流小堀宗明家元御用窯に指定され「宗楽」の称を受けます。萬古焼に初めて高麗手茶陶を加え、古い茶碗水指など研究し茶道界の評価を得ました。

「茶碗 月に雁」 黒井 千左 作
千左は、京焼系茶陶虫明焼窯元、父一楽に師事しました。
灰釉を基調とし、叩や象嵌を多く造りました。日本伝統工芸展・日本陶芸展入選日本工芸会正会員。昭和二十年岡山生まれ。


「草青磁平鉢」 廣永窯
菓子は俵屋さん「着せ錦」です。甘さが押さえてあって美味しく頂きました。
(この写真の懐紙は逆さになっています。輪がこちら側を向かなければなりません。すみません。)

「栗 ろくろ目 干菓子器」村瀬 治兵伊衛 作

すすきなどの秋草に月。秋の少し冷たい風が頬をなでるようなお稽古となりました。
次回は茶道の正月といわれる、炉開きの稽古となるでしょうか。
今月も非常に勉強になりました。また来月も楽しみです!