2018年03月02日のつぶやき

2月は天神様のお茶会となりました。
天神様は様々な言い伝えが残されており、種々趣向がこらせる楽しみがありますが、あえてシンプルなものといたしました。
寄付には 野崎 幻庵「春の色は 花とも言はじ 霞より こぼれて匂ふ 鶯の声」
春と云えばこのお軸にお声がかかります。
本床には 高橋 晁山 「天神様」
勝尾 青龍洞(造)立花大亀(箱書)「忍妙香 白磁梅花 香合」
梅、紅梅、西王母はすらっと「青磁 耳付 花入」に。
梅の香りが室にみちて参ります。

山崎 如悦「棗 太宰府天満宮神苑以梅樹作之」 古木の虫食いの跡が印象に残ります。
この方は 大日本茶道学会創設、田中仙樵氏の甥御さんにあたられます。
村瀬 治兵衛「紅梅 茶杓」との組み合わせがしっくりきます。
蓋置 十四代 坂倉 新兵衛(造)竹田 益州(箱書)「萩 一閑人 蓋置」
角谷 莎村「竹地紋 姥口釜」の釜が 鈴木 光入「槍梅蒔絵 炉縁」に映えます。
道真公の遠い旅路に想いを馳せつつ、今回はじめて旅箪笥を使っております。

紀州焼 那智黒 茶碗」


小峠 丹山 「安南写 茶碗」






今木屋 鴬餅の緑が 中里太郎右衛門窯「絵唐津鉢」によって引き立てられます。
今回一番こっているのが「布目蒔絵 梅絵 四方盆と老松 橙糖珠かもしれません。

 

梅の枝に咲くのは?




続けてご紹介するのは 道真公と同じ貴族の出の書です。
江戸江戸中期の公卿、実全の子、正二位権大納言
当代屈指の有職故実の大家、和歌や絵画に長じた公達 滋野井 公麗(しげのい きんかず)公。
「春宵一刻直千金 歌管楼台声細細、鞦韆院落夜沈沈」
春の夜の、花の香りに満ちたゆったりとした風情を愛でる歌となっております。
かなり古いお軸につき、状態はあちこちいたんでおりますが、表具共々、
得も言われぬ作品です。


         春のひととき いにしへの都にタイムスリップはいかがですか?