清涼の茶会

一段と暑い風が吹く一日となりましたが、連店内ては、それを忘れるかのように涼を集め、
立礼式でお稽古をいたしました。
寄付には 後藤 瑞巖 宗硯「竹葉々起清風」
虚堂和尚が旅に出る友に贈った詩で、「相送当門有修竹爲君葉葉起清風」の一節です。
別れゆく君に餞別は何も無いが、門前の修竹の葉がさやさやと清風を起こし別れを惜しんでいる。
竹の葉ずれが聞こえてくるかのようです。
お花も涼しげな、宗旦木槿・下野・水引草を、「銅製 竹籠風 掛花入」にいけました。
今回も自分たちで育てたものです。
丸谷 端堂「青銅 笹蟹文香合」も涼を添えます。

「唐銅 朝鮮風炉 釜」に大野 鈍阿「舟形 焼〆 水指」
黒田 宗傳 竹蓋置」
色合い素材が調和しています。



今回お茶碗がすてきでした。
ふんわりしたお抹茶の色合いを、それぞれご覧ください。
「瀬戸唐津 平茶碗」江戸期のものです。
色合い、手触りにうっとりいたしました。
人形屋 幸右衛門「楽焼 描分 平茶碗」
とても小さい平茶碗ですが、なんともいえない色合いとサイズが愛らしいお茶碗です。



お菓子もご注目下さい。
今木屋さん特性「水無月」。どっしりした大きさなのに、
黒糖でさっぱりした甘さ。
お干菓子はスタッフ手作り 「琥珀糖」
こちらも梅酒とオリゴ糖でしつこくない甘さです。
夏のお道具揃えはなかなか難しいのですが、
猛暑の中バスを待つ方々にもお声をかけたくなる、
心地良いお茶席でした。
来月はお休みですので、次回は八月末となります。
皆様連日の暑さ、どうかご自愛下さい。