二月 梅観の茶会

二月も末となりましたが、梅観の茶会を開きました。

寄付には「大鳥居揮壕図」高 嵩谷 

江戸の絵師で、英一蝶の門人佐嵩之の門人でした。

鳥居の柱に絵師の名が書かれております。

昔は長旅の記念にこうやってサインでもしたのでしょうか?

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高 嵩谷「大鳥居揮壕図」

本床には「陽春消息平梅香」

「天暁報来山鳥」と対の語となっております。

永平寺七十三世・総持寺独住十六世 熊沢 泰禅の堂々、かつ流れる書が 

初春の空気を届けてくれます。

曹洞宗大学林等歴任され、現代の清僧と呼ばれた方です。

昭和四十三年歿九十四歳愛知生

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二代 保庭 楽入の「信楽 旅枕 花入」に小手毬、出雲大社をさしました。

この方は、初代楽乳・岩城兵衛に師事され、信楽壷窯をおこしました。

梅にちなんで、道真公が遙か遠路旅たたれた際のお気持ち、様子に想いを馳せて

選らんでみました。

 

香合は「染付 辻堂 香合」五代 幹山 伝七

この辻堂というのは、四つ筋(辻)に建つ庵(堂)を連想させ、

道しるべのお堂です。こちらは屋根の上に松葉と木の葉模様があり、

屋根が蓋となっております。

 

「桐地紋 広口窯」は「時代 桑 炉縁」と華やぎを抑えて。

 

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点前座置き合わせ

茶杓は 「銘春一番 煤竹 茶杓」西山 松之助 共箱。

この方は歴史学者東京教育大学名誉教授です。

臨済禅の修業をし、「蔵雲」の道号を授与されました。

平成二十四年歿九十九歳兵庫赤穂生

信楽焼 水指」道平

「大亀老師御筆 雪月花 大棗」

二代 高桑 泉斎(造)立花 大亀(花押・箱書)

 

「萩 茶碗」十代 三輪 休雪 

そしてもう一つは、

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「夢風翁作 椿豊 茶碗」

藤井 達吉 作。

伝統に捕われない斬新なデザインで、日本画、陶芸.七宝・金工・竹工・紙工・漆工・刺繍・染色・書・和歌など工芸のあゆる分野で活躍され、小原和紙工芸を発表し注目された方です。

師も弟子もなく一切の妥協を排し、孤高の芸術家といわれたそうです。

昭和三十九年歿 八十三歳愛知生

 

菓子器は 「鼠志野 鉢」守屋 宏一作に仙太郎の「鶯餅」 を。

緑がよく映えますね。

f:id:renjikoh:20190227162510j:plain干菓子は 「輪花盆」

広島菓子と、小田垣商店「丹波豆しぼり」を。形も愛らしいです。

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来月は何かと慌ただしい月ですが、どのような趣向になりましょうか。

季節の変わり目でもあります。

お大切にお過ごしください。