瀟湘八景に寄せて

瀟湘八景に想いをはせたお茶会を開きました。

「鉄 瀟湘八景 八角風炉・浜松地紋 富士釜」こちらの風炉に描かれている

のが瀟湘八景です。

今回はそれにちなんだお道具や書画を集めてみました。

瀟湘八景とは、中国の山水画の伝統的な画題となっています。

またその八つの名所のことを指します。

瀟湘は湖南省長沙一帯の地域。洞庭湖流入する瀟水と湘江の合流するあたりを瀟湘といい、古より風光明媚な水郷地帯として知られています。

北宋時代の高級官僚・宋迪はこの地に赴任した際に、

この景色を山水図として描いています。

どっしりとした八角風炉とその上の富士釜にも、松原の景が描かれています。

f:id:renjikoh:20190531175746j:plain

瀟湘八景 八角 鐵風炉

 

本床には 大綱 宗彦(和歌筆)立花 大亀(箱書)「夏月」

f:id:renjikoh:20190531181446j:plain

「夏月」

来ぬ秋の 比可りを袖に まずみせて のぼれば涼し なつの夜の月
大綱 宗彦:大徳寺四百三十五世、和歌書をよくし茶に親しむ、

又永楽保全の後援者となる。万延元年歿八十九歳

立花 大亀:臨済宗紫野大徳寺塔頭霊山徳禅寺長老如意庵庵主。

平成十七年歿百五歳大阪生

 

三代 早川 尚古斎「水雞笛 花生」には涼やかな 

下野(しもつけ)、釣鐘草、縞葦を。

水雞(くいな)の花生とは、誘い出すために鳴き声に似せて

作られたそうですが、この形が鳥笛の形ににているのでしょうか。

 

寄付には 狩野 常信「高士観瀑図」

表装共々、とても素敵なお軸です。

f:id:renjikoh:20190531181650j:plain

「高士観瀑図」

茶杓は 小田 雪窓 宗甫「銘 古渓 竹茶杓

こちらは節の下中央が割れ目があり、まさに渓 の感有り、でした。

f:id:renjikoh:20190531185150j:plain

古渓

香合は 元岡 清斎「渓山柳翡翠 蒔絵 香合」

f:id:renjikoh:20190531181904j:plain

「渓山柳翡翠 蒔絵 香合」

お棗は 熊谷 秀穂「楓蒔絵 即中斎好 糸目 中棗」

お茶碗は 「楽焼 描分 平茶碗」

梅素(造) 十代 松尾 宗吾(箱書花押)「銘 渋団扇 魚々屋 茶碗」

とても味わいのあるお碗でした。

f:id:renjikoh:20190531183935j:plain

銘 渋団扇 魚々屋 茶碗

蓋置は 手塚 桐鳳「仁清写 青楓文 蓋置」

f:id:renjikoh:20190531184119j:plain

仁清写 青楓文 蓋置

来月が梅仕事月になりますので、一足早く、

鶴屋八幡 「青梅」を帯谷 宗生「トルコ青釉 鉢」に

鮮やかな色合いながら、涼をよんでくれました。

f:id:renjikoh:20190531184633j:plain

主菓子

干菓子は銀座鈴屋の季節限定「梅納豆」を「本漆溜塗 輪花鉢」に。

こちらは甘納豆の予想を裏切る 青梅のかりかり感と酸味で嬉しい

驚きでした。

f:id:renjikoh:20190531184956j:plain

干菓子

 来月はお休みで次回は七月となります。

七夕あたりとなりましょうか。

皆様急の暑さにお気をつけください。