乞巧奠(きっこうでん)の茶会

梅雨明け前からの猛暑が続く中、七夕のお茶会が開かれた。

七夕は五節句のひとつで、縁起の良い「陽数」とされる奇数が連なる

七の夕べに行われるため「七夕の節句」という。

また、笹を用いて行事をすることから、別名「笹の節句」とも。

奈良時代に中国の行事、乞巧奠が伝わると、貴族は庭に祭壇を設けて

供物を供え、梶の葉に和歌を綴ったり、七本の針に五色の糸を通して

裁縫の上達を祈ったり、角盥にはった水に星を映して眺める「星映し」

などを行うようになった。

また、里芋の葉を天帝の水を授かる傘ととらえ、里芋の葉に溜まった

夜露で墨をすって文字を書くと、願いが叶うとされている。

 

「乞巧奠」が七夕の節供に変化していったが、もともとは七夕と書いて

「しちせき」と読んでいたとされる。

七夕を「たなばた」と読むようになったのは、日本古来の

「棚機つ女

(たなばたつめ)」の伝説によるそうだ。

 

寄付 「七夕」阪口 一草

寄付
 
 
 
本床 「名所瀧 山比女の のままに おりいでて 
             はたはり比ろき 布引の瀧」大綱 宗彦
    
 
花はこの暑さで店頭で育てている蓮が開きはじめたため、ご披露することに。
それにあわせて、同じく大綱 宗彦の
 
 「蓮を 誰もみな 蓮にならえ にごり江の 
            にごりにしまぬ 心きよさを」を。

本床

本床 其の一



本床 其の二
 
備前 耳付 花入」人間国宝 金重 陶陽が 大きな葉を
どっしりうけとめてくれた。

 

水指 「ガラス 切箔 水指」
光が反射して 切箔が輝く。

風炉、水指

「虹蒔絵 中棗」坂下 雄峰

虹が茶器に登場するのは珍しく感じるが、今回は虹がかかって晴れて
七夕の出会いがかなうように。
 
蓋置 「染付 七つの傘の内」真葛 香山
 
般若 勘渓「春斎釜添 唐銅 鬼面風炉
神々しいまでの美しさ。
 
茶杓 「銘 清音」
 

「銘 石庭 楽 茶碗」

臨済宗妙心寺派大雲山竜安寺住職

松倉 梅枝 紹英(箱書)島 荷平

楽 茶碗
この時期ならではの涼しげな 「ガラス 茶碗」磯谷 正三
 

がらす茶碗
「色絵露草画 茶碗」相模 竜泉

露草 茶碗

「天の川」製 京都 甘春堂を 手付籠に。
店頭の 葉蘭を敷きたかったが、暑さで彩りが今ひとつであった。
 

主菓子
紙風船」製 金沢高木屋を 竹四方に。
中には思わぬ味が隠されていて 楽しい驚きも。
 

干菓子
来月はお休みとなります。
皆様ご自愛のうえ、夏をお過ごしください。