「火中蓮」

九州地方はじめ、この度の豪雨の被害にあわれた
皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
広島はじめ、ようやく鉄道が復興した地域も、重なる豪雨に何事も
なき様お祈りしております。

昨年秋以来の茶の集い、折しも店頭の蓮の開花と重なり

「火中蓮」の趣題でとり行いました。
蓮をはじめ、寄付短冊、本床お軸もお釈迦様ゆかりのものを集めてみました。

野生司 香雪「鹿野苑にて」

ろくやおん と読みます。

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寄付 短冊

峩山 道顕「火中蓮」
短冊、お軸、いずれも
仏陀生誕地インドのジャータカ物語に登場する動物たちの

逸話をもとにされました。

お釈迦様がインドご生誕前、ヒトや動物として生を受けていた

前世の物語とされています。
絵本もあり、読み聞かせたものは未だ手元にあります。
今回お話まで紹介がかないませんが、是非一度ふれて頂きたく。

 

本床花入は
宮田 藍堂「青斑紫銅古代式細口花入」
この方は新潟佐渡で制作、弟子に、後に人間国宝となった

佐々木象堂がいます。

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本床 

 

香合は、本物?と思わず手を触れたくなる
二代 中川 正斉「乾漆 笹舟に蛙」

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香合



「時代 鉄 切合鬼面風炉釜」
蓮の葉に露ひとつ 大野鈍阿「舟形 焼き〆水指」

蓮の葉が、どっしりとした鈍阿の水指と呼応している様が心に残りました。

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風炉・釜、水指

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糸蜻蛉 硝子茶器


インスタグラムでもご紹介した 糸蜻蛉 硝子茶器。

大島 宗歌さんの絵付の、

蜻蛉の羽の涼しげな軽やかさが伝わります。


竹田益州(筒書花押) 光春(造)「銘 清友」茶杓

筒井寛秀(箱書)「瑠璃 碗」
「色絵露草画 茶碗」など複数の茶碗にて

 

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「瑠璃 碗」

こちらも以前ご紹介した「蓮 七宝皿」には
私のお気に入り、紫野和久傳「西湖」

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主菓子

「銘々へぎ」には「蓮の実」と諸た星「濃茶 落雁」を

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干菓子(各々とりわけております)


 

マスク アルコール準備万端で緊張しつつ
久しぶりに互いの無事を祝し、再び集えたことに感謝を捧げました。

次回は盛夏の来月末を予定しております。

また皆様に趣向をこらした集いをご紹介できますことを願っております。

コロナ感染防止協力につきまして

ブログでのご報告が遅れましたが、ホームページトップに掲載しております

通り、東京都感染防止協力をうけて、

蓮店頭での販売はしばらくの間 とりやめさせて頂いております。

ホームページ、カタログでのご注文は、お電話、メイル、

24時間対応FAXなどで承っておりますので、

どうぞよろしくお願い申し上げます。

一日も早い解決が待ち望まれますが、長期戦となりそうです。

自粛解除後も、ご来店は予約制、マスク着用ご協力の程、

よろしくお願い申し上げます。

皆様のご健康をお祈りしております。

雛祭りの茶会

春もそこまでというのに不安な空気に包まれています。

穢れを払ってくれるお雛様にちなんでお茶会を開きました。

雛祭りはもともと中国の「上巳(じょうし)」の節句、旧暦三月三日に

水辺にて身を清め、穢れを払う習慣があり、 これをもとにこの日に穢れ

払いの儀式が行われるようになったそうです。

奈良時代には紙でできた人形(ひとかた)が登場し、平安時代には

人形に厄を移して川に流す「流し雛」も誕生。
その昔、医療や衛生状態の未発達により、成人する前に命を

落としてしまい、親は子が無事に成人するまで健康でいられるよう祈りを

込めて、厄払いをしました。
平安時代には、貴族の女の子たちの間で「雛遊び(ひいなあそび)」が

流行しました。
紙でつくった人形を、同じく紙でつくった御殿のなかで遊ばせますが、
単なるままごとと違うのは、人形が男女一対だということ。
現在の様式に近づいたのは江戸時代の後半~昭和にかけてだそうです。

 

雛祭りには桃と蛤が欠かせませんが、その由来は

平安時代には「貝合わせ」遊びなどで知られ、
蛤の貝殻は、対になっている貝殻でなければぴったりと合いません。
このことから、仲の良い夫婦を表し、一生一人の人と添い遂げるようにと
いう願いが込められた縁起物となりました。

 

桃は2500年ほど前に中国で栽培され、古来より様々な書物に桃の記録が

見られます。
桃の花は厄払いや魔除け、長寿をもたらす力も持っているといわれています。
桃が持つ不思議な力によって人々が救われたという数多くの伝説からも、
生命力の象徴ともいえる桃をひな祭りに飾る様になりました。

寄り付きには 蛤におもきをおいて、

山本 紅雲「鯛」を。

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本床には 大田垣 蓮月

「このとのにけふ咲花はいくちよのもゝ悦のはじめなるらん 立雛画賛」

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本床

桃のよい枝を唐銅耳付花入に あえてそのままさしました。

香合はひとひねりして、

坂本 旭窓(花押造)「子安貝 香合」

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こちらは元々は酒盃と珍味入であったものを、蓋と底を造り香合としたもの。
箱書に記載があります。

加藤 了三「霰筒釜」はこの時期ならではの吊り釜として。

尾張藩御釜師。

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吊り釜

ですので蓋置には 鈴木 盛久「蓋置 五徳」が使えるのです。

ミニチュア愛がかきたてられます。

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五徳 蓋置

宮田 宗景「白網干蒔絵 棗」

網干には網を干して皆祭りにいってしまったという意味があり、豊年大漁を表します。

鷲尾 隆慶(箱書花押)「以東大寺古材作之 茶杓

元永 彰一「高取 四方水指」

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高取 四方水指

お茶碗は 十代 長岡 空處「楽山焼 雛画 茶碗」

松平不味の御用窯、出雲楽山焼、昭和三十五年十代長岡住右衛門を襲名。

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十代 長岡 空處

主菓子は 今木屋さんの「花団子」

音羽山窯「都鳥」のお重と小皿に添え、色が映えます。

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主菓子

お干菓子は 平安堂「高杯 古代朱 研出」に

同じく今木屋さんの 雛あられを。

朱塗が雛祭りの華やいだ雰囲気を伝えてくれます。

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「高杯 古代朱 研出」

来月は桜の便りが届く頃ですが、皆様お大切にお過ごしください。

 

鬼遣いの茶会

一月も今日が最後という日に、鬼遣いの茶会を開きました。

炉開き以来、久しぶりのお茶会です。

昨日とうってかわって北風が肌寒い中、鬼遣い節分の趣向といたしました。

寄付には、益田 克徳「椿之図」を。

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椿の図

この方は数寄者益田鈍翁の弟君にあたります。

鑑識に長じ、兄君鈍翁とともによく茶会を行われたそうです。

 

本床には、高畑 式部(筆)五代 福田 隋竹庵(箱書)「お福 自画賛

七ふしの/竹のふしふし/千世こめて/ふくやおふくが/ふときふえのね」

太田垣蓮月と共に桂門女流として名高い方です。

箱書は、藪内流宗匠 四代節庵宗匠のお子です。

 

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お福 

花入れは 山崎如悦「二重切煤竹 花入」

日本茶道学会 田中仙樵甥御さんにあたります。

店の紅梅を添えました。

連日の暖かさで、散ってしまうのではないかとはらはらいたしました。

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本床

香合は 川崎 和楽「鬼之忘れ形見 黒楽 香合」
 

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「鬼之忘れ形見 黒楽 香合」

忘れ形見とは 鬼の金棒です。

 

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織部 筋釜


釜は、初代 畠 春斎「織部 筋釜」

このお釜はどんな趣旨の会でも しっかり受け止めてくれる存在です。

 

炉縁は「掻合 面青海波蒔絵 」

 岡本 陽斎「春秋 棗」

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春秋 棗

北川 永斎(上絵師)「神戸薩摩 砂金袋 水指」

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砂金袋 水指

華やかな金運招く水指となりました。

 

お茶碗は 十代 上林 清泉「茶の花画 筒茶碗」

この方は、幕末期の宇治茶師、本業たる茶師の仕事のみならず、宇治で、「茶の木人形」と呼ばれる人形を創案されました。茶の古木を値付けほどの茶摘女の姿に彫り、彩色を施したもので、奈良人形(一刀彫)に似た趣きがあります。

また画筆にも優れた清泉は多くの絵画を遺しています。

享和元年美濃岩村の金森家(茶人・金森 宗和)の家系に生まれ、文政十一年上林牛加家の養子となられています。 明治三年歿

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菜の花画 筒茶碗

 

小春「刷毛目 花三嶋 茶碗」

三島茶碗にはいくつか種類がありますが、このお茶碗は 刷毛、花、檜垣等、

ひとつで楽しむことができます。

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刷毛目 花三嶋 茶碗

主菓子は たねや「厄除 饅頭」

節分にちなんで升に合わせました。

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厄除け饅頭



お干菓子は 京都緑樹庵 梅あられ金平糖と 節分豆です。

へぎ四方盆に お年の数だけ、ともいきませんが、皆さんと和気藹々と頂きました。

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節分豆と梅あられ

 

来月はお雛様を予定しておりますが、お花がこの暖かさでどうなるでしょうか?

カタログ最新号の受付も始まりました。

春のお道具書画満載です。

是非ともご高覧下さいませ。

 

 

 

 

令和二年 初春のカタログご案内

令和二年の年明けもあっという間に経ちましたが、

来月第一週より、

蓮の初春茶道具、花器、書画、文房具、彫刻、額類等掲載の

カタログ受付が始まります。

それぞれ一点物が殆どですので、お手元に届きましたら

お早めのご注文をお待ちしております。

カタログはホームページよりお申し込み下さいませ。

年末はお休みいたしましたが、新年初の茶会記は近々公開予定でおります。

店主が選りすぐった茶会趣旨道具やお軸、ご期待ください。

こちらは店頭でも販売しておりますので、お気軽にお問合せ下さいますよう、

併せてお待ちしております。

雪かと思えば一気に小春日和。

皆様、体調にお気をつけてお過ごし下さい。

開炉のお茶会

いよいよ炉開きの日を迎えました。

紅葉も、雨や暖かい日が続いたせいか鮮やかとは申せませんが、

あちこちで彩りが目に入って参ります。

寄付には 名女形として名高い五代 中村 歌右衛門のお軸を。

明治から大正、戦前昭和にかけて活躍した、明治の団菊左歿後の歌舞伎界を

代表する名優歌舞伎役者で、やはり名優として、先に惜しまれて逝かれた

六代目のお父上です。

五代 中村 歌右衛門「おとといの落ち葉の今日は深かりし」

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寄り付き 五代 中村歌右衛門

 

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本床

大徳寺四百八十七世 玄外 宗訥「関 官不容針 私通車馬」

後に臨済宗博多崇福寺九十七世でもいらした師のお軸が引きしまります。

書の意味は、関(置き字)【官には針を容れず、私に車馬を通ず】真理をつかむには色々な手段があるけれど、言葉の使い方一つでも仏様に近づけます、ということを

当時の関所の役人がわいろを取って旅人を通していたことを皮肉をきかせています。

大意は否定も肯定も自由自在。

「灰釉 飾壷」紐かけの練習をしていてうっかりそのまま飾っております。

向きが違いますが、ご愛敬と思し召しください。

「ふくべ 掛花入」には いろはもみじ、嵯峨菊を。

 

初代 畠 春斎「織部 筋釜」

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初代 畠 春斎

 

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炉縁は、哲山「独楽継 蒔絵 炉縁」

古備前 水指」

一般的に古備前と総称されるのは主に江戸時代迄の作品で、明治時代以降のものと

区別されています。

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古備前 水指」

お茶碗は、祥悦「銘 木守 利休七種の内」と「三島 茶碗」

木守とは、翌年の豊作を祈って、果樹に一つだけとり残しておく果実をいいます。
昔からの風習として、柿は全部取らず1つだけ残しそれを『木守り』と呼びました。
それは収穫に感謝して神様にお捧げするものであり、来年も沢山なりますようにとの

おまじないでもあり、これから冬に向かい食料が少なくなる野鳥に対する心遣い

でもありました。

 

田中 秀明「唐銅 菊割 建水」

茶杓は 久保 良斎(造)松長 剛山(筒箱書花押)

臨済宗紫野大徳寺塔頭高桐院住職、久田流有栖川系茶道十三代家元、細川三斉流茶道顧問,「銘 好日 茶杓」。

 

今回は一番の楽しみと言っても良い、スタッフ自家製お善哉!

早起きしてお餅も入れてくれました。

「真塗 椿碗」と「真塗 角盆」で、かしこまって美味しく頂きました。

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善哉(自家製)

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干菓子は 秋田杉干菓子盆にて、京都亀屋良長「一陽来福」(いちようらいふく)
正式には一陽来復。冬が終わり春が来ること。新年が来ること。また、陰の気がきわまって陽の気にかえる意から、悪いことが続いた後で幸運に向かうことを意味します。

加えてまめに(元気に)暮らせますように、と云う祈りも込めて三種のお豆も入っています。

外は北風が吹いても 中はあたたかい今年最後のお茶会となりました。

年明けまた皆様元気に集えますように。

少し早いですが、皆様にとりまして良き新年をお迎え下さいませ。

蓮は 年内12月28日まで、明けて1月6日より営業となります。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

時雨の茶会

秋の長雨とはいへ、台風での雨の被害が続いています。

皆様が穏やかな日常を、一日も早くとりもどせますようお祈りしております。

時雨というには強い雨の中、今月は侘びの風情漂うお茶会となりました。

寄付には 

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巌谷 小波


「染しためて 紅葉に晴れよ 秋の雨 傘画賛」

著名な童話作家でもありながら洒落た絵を残されており、ファンも多くいらっしゃいます。

本床には 烏丸 光広

「神無月 ふりみふらずみ さだめなき 時雨ぞ冬の 初めなりける」

江戸時代前期の公卿で、正二位権大納言

博学多識で歌道は細川幽斎、書は定家、光悦流を学び能くされました。

寛永十五年歿六十歳

竹籠にいける最後の月となりました。

花は 蓼 水引 ホトトギス 野紺菊 紫式部 藤袴 河原なでしこが

名残惜しく、秋の風情をひきたててくれます。

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本床

 

中村 松通「根来塗 菊形 茶器」

「浜松文 尾垂 富士 釜」

尾垂釜(おだれがま)は、茶の湯釜の形状のひとつで、胴の下部が不規則な波形に欠けて垂れた形の釜です。
尾垂釜は、古芦屋や古天明など、古い釜の下部が腐食して破損したものを、

その部分を打ち欠いて取除き、新しくひと回り小さな底に付け替えたとき、

打ち欠いた個所を不揃いのまま残したところからの形態で、後には始めから

尾垂の形を作っています。

加藤 了三「やつれ 風炉

十二代忠三郎 尾張藩御釜師。

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釜、風炉

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「根来塗 菊形 茶器」

真清水 蔵六「三島 水指」

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真清水 蔵六「三島 水指」

青木 木米「蕎麦釉 茶碗」

工芸で有名ですが、書画も能くされ、味わい有る作品が残っています。

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青木 木米

織部 茶碗」砂張建水、

阪本 曲斎「法隆寺古材 茶杓

 

主菓子は 紀の国屋「たんざく最中」を「三島青磁 菓子鉢」に。

お干菓子は「四国 和三盆」を吹き寄せ風にして、

二代 村瀬 治兵衛「栗 銅鑼鉢」に。

 

来月はいよいよ炉開きとなります。

併せて 蓮のカタログは来月頭にお手元に届きますので、

炉の時期にお使い頂きたいものを多数揃えております。

ご高覧、ご注文をお待ちしております。