二月 梅が香の茶会

三寒四温というには気温差が激しいこの頃、 梅も桜にその座を明け渡さんとする、名残り惜しさをこめて。 寄付 大田垣 蓮月「春雪」 ふる雪も あはにむすべる いとやなぎ かずみるままに とけわたるなり 総丈146×26.5 八十五歳最晩年の歌・神光院主徳田光圓箱…

初釜

初釜の茶会を予定しておりましたが中止となりました。 準備していた道具類をご紹介いたします。 お軸はどれかぎりぎりまで悩んでおりましたので割愛いたしました。 水指などは皆具を考えておりました。 香合 「黄瀬戸 福禄寿 香合」 江戸末頃の作品です。 香…

口切の茶会 穏やかな陽気のもと、口切の茶会を開きました。 開炉とあって、いつもより緊張感が感じられます。 寄り付きには 「口切りや足阿これもふくべなり 冨久邉 画賛」 十代 裏千家 柏叟宗室 認得斎 江戸末の茶人、九代 裏千家 千宗室の長男にあたります…

十三夜の茶会

長らく間があいてしまいましたが、折しも十三夜の日に茶会を開きました。 寄り付きには 大田垣 蓮月 「閑居月 外にくまなすものもなし 月さしいる淺茅生の宿」 孝眞 「秋草蒔絵 硯箱」 寄り付き 秋草蒔絵 硯箱 本床 十三夜の月にちなんだ作品を。 お供えのお…

献氷の茶会

梅雨明け前にすでに猛暑の週を迎えて、献氷の茶会を 開いた。 献氷の儀式は氷の朔日(ついたち)ともいう。 陰暦の六月一日に、氷室の貢ぎとして、氷餅を宮中や 幕府に献上したのが由来とされている。 掻餅やあられを供えて食すと厄除けになるという説も あ…

初風炉の茶会

薫風-風炉の時期到来となったものの、すぐ梅雨入りも追いかけてきてしまった。 寄り付きには 「枇杷」柴田 是真 色紙を軸装にした作品。 蒔絵を阪内寛哉に学ぶ。画は鈴木南嶺の門。 後京都で岡本豊彦に付き研鑽し、画風一格を成す。近代の名手。 寄り付き 枇…

雛の茶会

雛の茶会 今年も五節句の一つ、雛の茶会を開くことがかなった。 お軸とお道具選びを終え、ささやかながらがらお弁当を一同で頂く。 雛絵は格によって待合にも本席にも使える。 道具や花は桃や柳、貝、菱に関係するものが主に用いられる。 よくお軸でみられる…

初釜

列島を寒波が包み込む中、無事年を越して新年も早一ヶ月を経て、 無事初釜を迎えることができました。 寄り付きには 吟翁「結び柳」と炭飾りを。 寄付 炭飾り おめでたい 海老、亀、鶴があしらわれています。 唐の故事をもとに、結び柳をお茶の席に最初に柳…

乞巧奠(きっこうでん)の茶会

梅雨明け前からの猛暑が続く中、七夕のお茶会が開かれた。 七夕は五節句のひとつで、縁起の良い「陽数」とされる奇数が連なる 七の夕べに行われるため「七夕の節句」という。 また、笹を用いて行事をすることから、別名「笹の節句」とも。 奈良時代に中国の…

初風炉

初風炉の集いが五月末におこなわれた。 寄り付きには 涼やかなせせらぎが届くような 「柳江清風」川合 玉堂 文化勲章。昭和三十二年歿八十四歳 愛知生。 寄付 本床には 「閑雲」遠州流十一世 小堀 宗明 ゆったりと空に浮かぶ雲。 なにものにも束縛されない悠…

百花繚乱の茶会 平和を願って

世界平和への祈りをこめて、百花繚乱の茶会を 開きました。 寄り付きには 常信斎 「群燕ノ図」を。 寄り付き 本床には 「萬国春」三宅 康高 三河田原藩四代藩主。田原藩三宅家七代。 花開万国春 はなひらきてばんこくのはる 春の爛漫さを象徴し、大雅に限ら…

利休忌

三月利休忌お茶会 利休忌は「茶聖」である千利休の命日に彼の徳を偲んで行う 茶事のことです。 利休の命日は二月の二十八日で、新暦に合わせ3月29日に 集いました。 床に利休の肖像を掲げて献茶をする「供茶」、続いて七事式が 行われるのが恒例となっていま…

雛の茶会

雛祭りを前に雛の道具揃えの茶会を開きました。 寄り付きには谷 文一 「立雛」 別号/痴斎/文一郎江戸後期の画家。江戸薬研堀の医師利光澹斎の子。文晁に師事し、 長女宣子を妻とする。円山派の写実的画風を取り入れ、山水花鳥を得意とする。文政元年歿三十…

初釜

初釜の茶会 少人数で無事に初釜の茶会を開くことがかないました。 今回は二通りの道具組で 蓮の書画道具の数々ご披露いたします。 まずは 寄付其の一 春日有職 大林 杜壽(刀)「奈良人形 三番叟」 寄付 其の一 奈良人形 本床其の一 は今年の干支です。 渡辺…

開炉

開炉の茶会 11月29日の開炉茶会の道具を遅くなりましたがご紹介いたします。 寄り付き 富本 憲吉・清水 六兵衛(合作)「壷」唐草色紙掛」 本床 足立 大進「開炉 高秋半夜月 落葉満前池」 臨済宗円覚寺派管長。 本床 花入 金屋 五良三郎「唐銅 蕪形 花入」 …

名残の茶会

ようやく少人数の集いがかない、三ヶ月ぶりに茶会が再開された。 この時期ならではの名残の茶会。 寄り付きには「干柿画賛」加賀尾 秀忍を。 旭舟「手付 花籠」には、 芒、りんどう、小菊、コスモスなど名残の花々を。 寄り付き 本床には 大綱 宗彦「閑 雲に…

観螢会

六月末に開いた茶会は螢を愛でるものとして、涼やかな道具が揃った。 寄り付きには 漫画家として、河童ものが有名な 清水 崑の『河童』を。 本床には 歌人、子爵、駿河沼津藩主のち上総菊間藩主となった、 水野 忠敬「田雲螢」を。夕風の さなへ(早苗)ふ(…

雨中の茶会

五月も終わりの頃、梅雨入り前の長雨の合間、少人数での茶会を開き ました。寄付掛物は 栗田 寛 「五月雨の 頃にしなれば まかせしと おもふめ水は ただふるにけり」 短冊掛の色合いも涼しげです。 この方は、幕末水戸藩に仕えた国学者、歴史学者、藤田東湖…

新緑の茶会

早くも風炉の季節を迎えました。 先月、少人数での新緑の茶会を開きました。 風炉の灰型を整える体験もいたしました。 夢中になってしまいました。 寄り付きには 川村 雨谷「柳塘清画」 寄り付き 本床には 風雅なる 野崎 幻庵「春ふかき野べのかすみのした風…

誕生会(たんじょうえ)

最後に集ったのが昨年となり、久々のお茶会を開きました。 今回はお釈迦様の誕生を祝う仏教行事、誕生会(たんじょうえ) 灌仏会を一同でお祝いをいたしました。 四月八日に各地で開かれますが、 降誕会(ごうたんえ)仏生会(ぶっしょうえ)浴仏会(よくぶ…

開炉の茶会

一気に秋めいた日に炉開きをいたしました。 今年は炉の季節の短さにとまどいを覚えましたが、こうやって無事集いがかない、 心新たに炉でたてるお茶を味わえますことに、ありがたさを感じております。 寄り付きには 大田垣 蓮月の短冊を 「冬山家 ほしがきの…

なごりの茶会

今年は例年以上に季節の巡りがはやく感じられました。 そのような中で、なごりの茶会が開かれました。 寄付には、 小堀 正和(歌)狩野 探原(画)「山里を憂き身のほとのやどりとは すまておもひし心なりけり~払子画賛」 お歌は、 小堀流九世。 孤篷庵で育…

満月に想う 茶会

先の中秋の名月は見事でした。 蓮では一足はやく、お茶会で満月にちなんだ、心地良い秋のお茶会を開きました。 寄付には 松本 交山「猿猴捉月 対幅」 松本 交山「猿猴捉月 対幅」 本床には 西部 文浄「掬水月在手」 西部 文浄 「時代 螺鈿光琳蒔絵 兎 香合」…

「火中蓮」

九州地方はじめ、この度の豪雨の被害にあわれた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。広島はじめ、ようやく鉄道が復興した地域も、重なる豪雨に何事もなき様お祈りしております。 昨年秋以来の茶の集い、折しも店頭の蓮の開花と重なり 「火中蓮」の趣題でとり…

コロナ感染防止協力につきまして

ブログでのご報告が遅れましたが、ホームページトップに掲載しております 通り、東京都感染防止協力をうけて、 蓮店頭での販売はしばらくの間 とりやめさせて頂いております。 ホームページ、カタログでのご注文は、お電話、メイル、 24時間対応FAXなどで…

雛祭りの茶会

春もそこまでというのに不安な空気に包まれています。 穢れを払ってくれるお雛様にちなんでお茶会を開きました。 雛祭りはもともと中国の「上巳(じょうし)」の節句、旧暦三月三日に 水辺にて身を清め、穢れを払う習慣があり、 これをもとにこの日に穢れ 払…

鬼遣いの茶会

一月も今日が最後という日に、鬼遣いの茶会を開きました。 炉開き以来、久しぶりのお茶会です。 昨日とうってかわって北風が肌寒い中、鬼遣い節分の趣向といたしました。 寄付には、益田 克徳「椿之図」を。 椿の図 この方は数寄者益田鈍翁の弟君にあたりま…

令和二年 初春のカタログご案内

令和二年の年明けもあっという間に経ちましたが、 来月第一週より、 蓮の初春茶道具、花器、書画、文房具、彫刻、額類等掲載の カタログ受付が始まります。 それぞれ一点物が殆どですので、お手元に届きましたら お早めのご注文をお待ちしております。 カタ…

開炉のお茶会

いよいよ炉開きの日を迎えました。 紅葉も、雨や暖かい日が続いたせいか鮮やかとは申せませんが、 あちこちで彩りが目に入って参ります。 寄付には 名女形として名高い五代 中村 歌右衛門のお軸を。 明治から大正、戦前昭和にかけて活躍した、明治の団菊左歿…

時雨の茶会

秋の長雨とはいへ、台風での雨の被害が続いています。 皆様が穏やかな日常を、一日も早くとりもどせますようお祈りしております。 時雨というには強い雨の中、今月は侘びの風情漂うお茶会となりました。 寄付には 巌谷 小波 「染しためて 紅葉に晴れよ 秋の…