灌仏会(釈尊降誕祭)

今年の春も天候は今一つ安定せぬ中、旧暦でのお釈迦様誕生会(たんじょうえ)である、灌仏会(かんぶつえ)の茶会を開きました。

 

寄付

平山 郁夫 【薬師寺散華色紙】

色紙掛 「古代裂」

 

寄り付き

足元には 真葛 二代 宮川 香斎のインドの「白い象」を。

本床には 灌仏会には欠かせない

東皐心越「誕生仏」を。

【東皐心越】(とうこうしんえつ)

俗姓/蔣、名/兆隠のちに興儔、字/心越、号/東皐、別号/樵雲/越道人

江戸初期の渡来僧。長崎興福寺に入り、水戸光圀に迎られ水戸天徳寺に住す。

水戸祇園寺、高崎少林山達磨寺開山。

詩文、書画、篆刻など中国の文人文化を日本に伝え、古琴は日本の琴楽の中興の祖、

篆刻は独立とともに日本篆刻の祖とされる。元禄七年歿五十八歳

本床



「散華盆」「散華」(寺院で仏や菩薩が来迎した際、華を降らせたという故事に由来)

「釈迦像」「甘茶」(お釈迦様が誕生の際、甘露の雨が降ったという経典に由来)

花入は 葛明祥 「海鼠釉楕円形水盤」

【葛明祥】(かつめいしょう)

清朝乾隆・嘉慶年間(1736年-1821年)頃に活躍していた、

宜興窯(ぎこうよう)の陶工で親子三代で銘を使用していた。
宜興窯では当初、鈞窯釉を中心に制作をしていたが葛明祥と

弟の葛源祥が海鼠釉を発展させたのが始まりとされており
作品の多くは日本へ輸出され中国ではあまりないとされている。

 

お釈迦様がネパール南部ルンビニの花園で誕生された為、同じように

沢山の花でお祝いいたします。

 

本床

花祭り


 

散華

香炉 永楽善五郎「黄交趾香炉」

香 甘茶線香(花まつり用)

 

釜は 佐藤 清光「肩七宝 透木釜」

炉縁 「輪島塗 花筏蒔絵」

 

平沼 浄「升乾漆 四方茶器」

水指 玉堂窯(手塚玉堂)「青磁 平水指」

 宗竹(造)佐藤朴堂(花押筒書)

「銘 朝露」儚いもの(命)のたとえ

茶道具

平沼 浄「升乾漆 四方茶器」

藤田 宗勝「唐銅製 蓋置」

前田家鋳物師七人衆の家柄。高岡住

蓋置

「春慶塗 曲建水」

「雲錦之筏」山沢 松篁

「雲錦之筏」

 

備前 茶碗

南鐐茶碗


(花鳥文)」と箱書

そしてお楽しみはインドの菓子

ラスグラ・RASUGULLA

乳蛋白をレモンや酢、乳清を使って凝固させたチェナー(インドのフレッシュチーズ)に重しをして水切り、セモリナ粉をくわえ団子状にてゆでる。

これをラスゴーラという。同類にチャムチャムがある。

庵主はインドラジギ-ルでの日々、これをボールに、抱えて食べていた由。

もう一つは

ソーンパプディ・SOAN PAPDI

干菓子というより主菓子のような大きめの、これも牛乳と砂糖、スパイスも加えて

作られている。

 

本日の抹茶は 銘「五重の白」詰「清風園」東寺御用達

インド菓子 ラスグーラ

ソーンパプディ

早くも初夏の陽気。

薫風の時期が年々少なくなっている感がいたします。