口切の茶会

穏やかな陽気のもと、口切の茶会を開きました。

開炉とあって、いつもより緊張感が感じられます。

 

寄り付きには

「口切りや足阿これもふくべなり 冨久邉 画賛」

十代 裏千家 柏叟宗室 認得斎

江戸末の茶人、九代 裏千家 千宗室の長男にあたります。

瓢炭斗を添えて

寄り付き

本床には

石州流 十五代宗家 片桐 貞泰の「壷中日月長」

こちゅうじつげつながし

後漢書に収録された逸話によるもの。

壷の中は転じて時空を超越した心の別天地を指すとされ、

日常の中でも心の持ち方ひとつで、そのまま壺中であり、

仙境であり、悟りの妙処となることを示している、

とされています。

 

備前 一輪入」中村 六郎

六郎窯 金重陶陽に師事。

裏千家スタッフが丹精した 嵯峨菊と 南天の紅葉を。

嵯峨菊は古典菊のひとつで、ちょうど今頃に見頃を迎えるとされており、

名の由来は、嵯峨天皇の時代、京都嵯峨野大覚寺周辺に自生していた菊に

あたることから、とされています。

開炉に欠かせない、茶壺

織部 香合」加藤 光右衛門

本床

「繰口 丸釜」十二代 和田 美之助

高台寺蒔絵 炉縁」が華やぎを与えてくれます。

釜 炉縁

「時代 紅葉蒔絵 黒柿 中棗」

内側の黒柿の色合いが美しいです。

黒柿 中棗

「銘 紅葉狩 茶杓

藤井 誡堂(筒箱書花押)高野 宗陵(造)

 

織部 水指」

十三代 竹中 紹智(箱書)

藪内流 十三代家元 青々斎竹中紹智を襲名、

還暦後 竹仲とあらためられました。

山口 茂(造)初代 山口錠鉄子息、兄は二代錠鉄、

子息も陶芸家の重信氏。織部写しを得意とします。

水指

「黒織部 茶碗」佐治 光太郎

織部 茶碗

「彩色竜田川 茶碗」澤村陶哉

「紅葉 茶碗」

備前 茶碗」陶朋 

この時期になると やはり厚手の茶碗が手に心地よいです。

「青竹蓋置」

「エフゴ 建水」

 

「吹寄四方足付 菓子器」梅山 

九谷焼の まさに錦秋の菓子器といえましょう。

正客の向いで撮らせてもらいました。

主菓子はもちろん亥の子餅。

今木屋さんがつくりたてを届けて下さいました。

柔らかく美味しいこと!

吹寄四方足付 菓子器

亥の子餅

さらに 裏千家スタッフ自家製 特性「善哉餅」

「菊蒔絵 吸物椀」によそって、柴漬胡瓜漬を添えて

「利休形 折敷 四方 盆」にて皆様に。

善哉

小豆はおめでたい時に頂き、魔よけにもよい、といわれています。

 

「箕」に「巨峰寒天」津山屋と「柚子皮」を

秋の恵みを届けます。

干菓子

来月はおやすみとなります。

年明け また皆さんと集えるのを心待ちにしております。

さて、どうのようなお道具がそろいましょうか。

 

 

 

 

今回は各流派のお道具や書画が