観螢会

六月末に開いた茶会は螢を愛でるものとして、涼やかな道具が揃った。

寄り付きには 漫画家として、河童ものが有名な 

清水 崑の『河童』を。

本床には 歌人、子爵、駿河沼津藩主のち上総菊間藩主となった、

水野 忠敬「田雲螢」を。
夕風の さなへ(早苗)ふ(吹)きしく 千町田に

 ひかりかろ(軽)くも とふ螢かな

 

「銅製 釣舟花生」には 桔梗 紫式部 ハンカチの花。

薄い色合いが涼を招く。

 

香合は 二代 高木又三「蔦蒔絵 曲香合」

初代高木又三が曲物師より伝授された作品を茶器として取り入れ、

数々の曲物茶器を創出、創業大正7年

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曲香合

初代大西定林 作 名越 彌五郎(昌次)極書「四方扇面風炉」は

「時代 丸釜」を合わせて。

初代大西定林は江戸中期の釜師、千家十職大西家二代浄清の次男、

浄清とともに古田織部小堀遠州に従って江戸に赴き、江戸大西家を

開き織部遠州、石州の釜を作り数代続く。享保十二年歿

 

茶器は「鉄線 蒔絵 中 棗」

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守繁 栄徹「萩 平 茶碗」

三宅 陽春「色絵蛍袋図 茶碗」

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茶碗

聖美「流水文 茶杓

黒川 哲匠「蝋形鋳造 蟹蓋置」

「染付網目水指」

 

主菓子はもちろん 今木屋の「水無月

干菓子はスタッフ手作りの 梅のゼリー菓子です。

薄い青梅色の最中皮を半分ずつ開いて、その上に琥珀糖、梅ゼリーを

美しくのせて。

銘はなんとつけましょう!

 

来月はお休みです。

八月末にまた元気に集えますように。