ようやく少人数の集いがかない、三ヶ月ぶりに茶会が再開された。
この時期ならではの名残の茶会。
寄り付きには「干柿画賛」加賀尾 秀忍を。
旭舟「手付 花籠」には、
芒、りんどう、小菊、コスモスなど名残の花々を。
本床には
大綱 宗彦「閑 雲にふす 庵もあきと
世の中に ことなつとり しずきつはなし」
香合は 十二代 田原 陶兵衛「萩 俵 香合」
釜は形がよい「浜松文 尾垂 富士 釜」
「青海波文 やつれ風炉」をかけた。
この時期ならではの、三代 加藤 作助「黄瀬戸 細水指」
黄瀬戸には侘びを基調としながらもあたたかみが感じられる。
茶杓は
蓋置は矢野 鐵山「織部夜学 蓋置」
夜学とは 甕(かめ)型の四方に大きな透かしがある形をいう。
元は夜に学問をする際の灯明の火皿を転用したことに由来があるとされている。
ゆへに別名を灯台ともいう。
「唐津 茶碗」
青木 木米「蕎麦釉 茶碗」
主菓子は 今木屋「多摩っ栗」を
宇田川 抱青「白萩 片口 鉢」に。
今が旬の栗の滋味が映える。
写真の掲載がかなわないが、干菓子器には「紙縒 八角盆」
李朝こよりは朝鮮王朝独特の手間と根気を要する手法の
工芸品であるが、軽くて丈夫で使い心地が良い。
干菓子は 伊藤軒「いも納豆」を。
砂糖漬けは好き嫌いが分かれるが、こちらは砂糖が控えめで、
お芋の味わいが濃厚で殿方にも大好評であった。
来月はいよいよ炉開き。
一年がことのほか早く感じられる。
皆様のお茶の集いに私共のお道具がお役にたちますことを願って。