初釜

初釜の茶会

少人数で無事に初釜の茶会を開くことがかないました。

今回は二通りの道具組で 蓮の書画道具の数々ご披露いたします。

まずは

寄付其の一 春日有職 大林 杜壽(刀)「奈良人形 三番叟」

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寄付 其の一 奈良人形

本床其の一 は今年の干支です。

渡辺 秀詮「虎 対幅」

この方は長寿で興味深い職につかれています。

六代唐絵目利、渡辺秀彩の男、猛虎を能くし、文政七年歿八十九歳。

唐絵目利は江戸中期に設けられた長崎奉行所の職種で、清国から船載された

書画や器物の鑑定と価値の評価をつけました。輸出入の交易品や鳥獣類等の

写図、また奉行所の御用絵師を兼務したとされています。

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本床 其の一

「唐銅 鶴首 花入」には 咲き始めた店頭の白侘助を。

香合は 箕輪 一幸「宝尽し蒔絵 ぶりぶり香合」

ぶりぶり香合とよくよばれるものは、本来振(ぶ)り振りからきている様

です。江戸時代の子供の玩具で、鶴亀尉(じょう)姥(うば)等を描いて

小さな車をつけて引きずって遊んだものや、平安時代の振り振り毬杖

(ぶりぶりぎっちょ)のような毬をうつ遊びからきている、と

されています。

 

棗は 井上 隆敏「松皮塗 宝尽蒔絵 大棗」外側は地味ながら、

蓋を開けますと一気に華やかに。

 

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棗其の一 宝尽 大棗 

 

小堀 卓巖(筒箱書)「銘 あけぼの 竹 茶杓

金森 彦兵衛「唐銅 色絵突羽根 蓋置」

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蓋置

水指 其の一 「松竹梅 八角 水指」

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水指 其の一

寄付 其の二

十世 松尾 宗吾 「自筆 鯛 画賛 萬歳期延年」

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寄付 其の二

本床 其の二

川喜田 半泥子「寿」

楽焼「三番叟 香合」

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本床 其の二

 輪島 長井「雲鶴 棗」

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棗 其の二

 

水指 其の二  加藤 幸治「金銀唐松 水指」

八田 円斎「模仁清 黒扇尽 茶碗」

 

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紫野窯(造)松長 剛山(箱書「黒茶碗 銘 常盤」

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黒茶盌

「對州立鶴 茶碗」

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立鶴茶盌
釜は 十五代 大西 清右衛門(箱書)三代 下間 庄兵衛(造)「霰 丸釜」
大西 清右衛門;千家十職釜師大西家、父十四代清右衛門に師事、
昭和三十五年襲名、京都工芸研究会、十備会・京都金属工芸会、
京釜についての著書多。大正十三年生平成十四年歿

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釜 炉縁

炉縁;柿木 章「高台寺蒔絵付 輪島塗 炉縁」

初釜の釜に晴れやかに映えます。

 
主菓子は 今木屋「花びら餅」
昨年食べ損ねた分の楽しみは、
元旦に愛用している、鶴高巻絵重と共に。

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蒔絵重
お干菓子 む津美「京の祝いづくし」はお客様から頂戴いたしました。
漆専堂 日の丸盆に。
 
さて、皆様はどちらのお道具揃えがお好みでしたでしょうか。
 
来月は立春を迎えますが、少しでも安心できる日々が訪れますよう。
お道具も春めいて参ります。
ぜひお問い合わせ下さいませ。