2017年04月01日のつぶやき

今年はいつまでも寒い日が続きますが、そんな冷雨の中、灌仏会の趣向で
お茶のお稽古をいたしました。

寄付には 大理石 白象 親子像
釈尊母堂 摩耶夫人にちなんで選らんでみました。

本床には 東皐 心越 「誕生佛」
誕生佛とは、釈迦降誕の姿をあらわし、四月八日の灌仏会花まつりの本尊です。
釈迦は生まれてすぐ四方に七歩ずつ歩み右手で天、左手で地を指さし
天上天下唯我独尊」と云われました。
珍しい左手を挙げた誕生仏ですが、中国南部や東南アジアなどでは左手を挙げた像が
有様るです。

お花は彼岸桜と椿を 唐銅 獅子亀甲文 一文字花入に さしてみました。

香合は 杉村 和(造)杉村 尚(レリーフ)守屋 弘斎(箱書)
東大寺古材 乾漆宝相華 香合」
宝相華とは唐草に、架空の五弁花の植物を組み合わせた 空想上の花です。
着物や、置物等の文様によく使われています。

茶杓は 海野 宗泰(刀)松長 剛山(筒箱書)「銘 花衣 茶杓

風炉先は
野崎 幻庵 「桑縁貼混 風炉先 屏風」
今回銀箔の輝きをもって、いつもと違う雰囲気を与えてくれました。
啼鳥数斡春自好(とりないて いくはるを めぐるを 自ら好む)
行到水窮処 坐看雲起時:山端を消遥して、いつの間にか川の流れの尽きる処に
たどり着いた。
流水:本分のままに生きる悟りの境地を表します。

釜は釣釜です。
天明 九輪釜」 仏様ゆかりの時に使われます。
今回はじめてお目見えいたしました。

棗は中村 宗悦 「井伊宗観好 桜に雉子蒔絵 朱薬器」
曇り日ゆへでしょうか。朱が鮮やかに感じられました。

お茶碗は 大野 鈍阿(造)堀越 宗円(箱書)「光悦写 茶碗 銘 玉川」
楽茶碗で、しかも薄造りのため、慎重に緊張しながら手にとりました。

隅田川焼 都鳥 茶碗」
愛らしい都鳥の絵付に 心持ち緊張がほぐれます。

相模 竜宝 「金銀彩流水画 茶碗」
こちらは 風炉先の銀を受けて 対になっているような。

お菓子は 俵屋さんの「菜の花」を 帯谷 宗生「トルコ青釉 鉢」に。
鮮やかなトルコブルーと淡い黄色が映えます。

「南京 草花染付 水指」の唐草が どこか今回のお道具達につながります。

来月は連休前を予定しております。
どんなお道具達と出会えるでしょうか。