心地良い秋晴れのもと、なごりの茶会を開きました。

寄付には喜多 武清の「鹿」を。
この方は古画の鑑定、模写もおこない、谷 文晁に学び、探幽の画風を喜び人物花鳥に妙。
挿絵美人画なども得意とされていたようです。
安政三年歿八十一歳江戸の人。

お席には 立花 大亀「秋山風月清」です。
脇には愛らしい秋の草花を。
ほととぎす、女郎花、野紺菊を生野 祥雲斎「紫竹みの虫籠 花入」にさしました。
大好きな籠もしばらく見納めかと思うと、名残惜しさがつのります。

風炉最後の釜は「浜松文 尾垂 富士 釜」
作家ものではありませんが、風炉同様、やつれ具合に風情があります。
「鬼耳 やつれ 風炉釜師 六代 木越 三右衛門の作品です。
金沢の釜師。初代正之 通称三右衛門幼にして横河長久(俗ニ名人九右衛門)に師事し冶業を習、
年十八の時、命により小立野天徳寺の梵鐘を造り大に賞誉競られた。鉄瓶を得意とし、
雅趣に富んだという。弘化二年歿。二代は、安政末年に藩の扶持を受け、御用釜師となり、
文久二年没。三右衛門という名は通称で、代々使われる。

今回結界を使いました。
結界もいろいろな形があって、いつかご紹介いたしたく。

薄器は夏目 有彦 「根来 薬壷」。

宗久(造)加藤 淡斎(筒書)「侘の心 竹 茶杓
加藤 淡斎 「信楽窯 水指」
やはりこの時期は信楽がしっくりきますね。




まさに詫びの彩りに一気に華やぎを与えてくれますのが、
両口屋是清「紅葉の舞」
中川 自然坊「粉引唐津 鉢」がさらにひきたてます。
干菓子は 豊作を念頭に
「蓮の実」「文旦漬」「柿日和」
素晴らしい組み合わせとなりました。
川本 光春(造)竹田 益州(箱書花押)「桑彫 俵香合」
こちらも豊作を念頭に選んだものです。
ころんとした愛らしい姿ながら、どっしり豊穣も感じ取れますね。

来月はいよいよ炉開きとなります。
蓮のカタログにもたくさんお使い頂けますお道具、書画が載っております。
無料につきどうぞホームページよりお申し込み下さいませ。
ブログに掲載のお道具書画も販売しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
皆様ご自愛の上、お茶の時間をお楽しみください。

蓮のカタログ202号は今週より受付が始まります。

秋のお道具、お軸、煎茶、彫刻、仏具はじめ、今月は短冊や色紙もたくさん掲載いたしました。
ぜひお手にとってご覧ください。

先日雨の中、根津美術館へ行って参りました。
企画展 「禅僧の交流」
美術館館蔵の墨蹟が中心ですが、無学祖元はじめ、中国の高僧と日本の弟子達の関係や交流を紹介しています。
若き日の雪舟の作品もございます。
また毎回の楽しみ、二階の茶室のお道具組み合わせですが、名残の茶 が素晴らしかったです。
他に 桃山時代の辻が花はじめ、慶長の小袖など、よくもまあ大切に保存を守り抜いてこられたなあ、と
感じ入ってしまいました。
こちらは常設の仏像もお気に入りです。
当日はあいにくの雨でしたが、多くの観光客が傘をひらいて
色濃くなった緑を楽しんでいらっしゃいました。

蓮の一品ご紹介いたします。
大観 文珠「六祖踏碓 画賛」
天保十三年歿七十七歳美濃生 丹波大梅山法常寺十世。臨済宗南禅僧堂開単。

やつれ風炉も珍しい形のものはいかがですか?
横河 三五郎(造)十二代 宮崎 寒雉(鑑箱書)「荒磯 鉄風炉(やつれ 風炉)」
寒雉は、加賀藩の御用釜師として寛文年間より続く家系で、茶人好みの重厚な釜が有名です。

暑い夏をのりきってのお茶会シーズン到来です。
ぜひ蓮のお道具、軸をご用命下さいませ。


参照:http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

2018年08月31日のつぶやき

雷雨の中、虫音の茶会を開きました。
これからの季節にぴったりのお道具やお軸が揃いました。

立礼にて、寄付には 風情ある虫の絵の 幸松 春浦「秋虫図」。
幸松 春浦は竹圃門、洋画、南画、それぞれの影響を受け新たな絵画を模索し、作風新鮮馴和を以て知られる、日本南画院同人。

脇には行灯の明かりうっすらと 秋の草花 蚊帳吊草、桔梗、風船葛が竹旬斎「掛花入」にいけられました。
香合は北川 敏楽「蓮の実 香合」 
思わず蓮の蓮の実で作ってみたくなりました。

中谷 博峰「瓢蒔絵 養老 茶器」
日本では殺生を禁ずる法令が六百二十二年に出され七百二十年(養老四年)大分の宇佐八幡で放生会がおこのわれたそうです。
上からの姿をご覧ください。

お茶碗は萊平焼「秋草 茶碗」
萊平焼は淡路焼、伊賀野焼ともいいます。京都で尾形周平に師事した加集萊平が始めました。
黄緑釉を施したものに特色があり、他に青磁・赤絵・彩絵物・朝鮮安南交趾写などがあります。
はじめて萊平焼に出会いましたが、味わいある焼き物でした。

茶杓は海野宗泰(造)松長剛山(箱書花押)「銘 清音 しみ竹 茶杓
蓋置は青磁の夜学の蓋置です。
行灯の灯りだけでのお茶会でしたが、水指は高野 昭阿弥「色絵 二閑人 水指」で鮮やかさが生まれました。
蓋をかけると裏に柘榴の絵が。
端にしがみつく二閑人が愛らしいですね。
一閑人(いっかんじん)は、井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついている。
閑人(ひまじん)が井戸を覗いているようなので別名「井戸覗き」ともいうそうです。
両側に人形があるものは二閑人、井戸枠だけで人形のないものは無閑人。勉強になりました。





お菓子は この時期旬のマスカットの「旬の雫」
瑠璃色の蓮華で頂きます。
干菓子は御山杉・焼印の四方盆に末富「行雲流水」と梅花亭「さざれ石」が
素晴らしいグラデーションになっています。




来月はどんなお道具と出合えるでしょうか?

 

2018年08月10日のつぶやき

お盆でお墓参りをされる方が多いと思いますが、*磬という仏具をご存じでしょうか。
広辞苑によりますと、【けい】「中国古代の楽器で、板や石をへの字形につくり、それを吊りさげて打ち鳴らす」
とありますが、太鼓類(膜の張ってある楽器)を除いた全種類を指す、体鳴楽器のことだそうです。
銅や響銅などの金属製碗状の本体を、一本の棒でうちます。
宗派、流派によって異なりますが、声明の合図に用いられるそうです。
同じ漢字で【きん】と呼ぶものは、読経の際に打ち鳴らす、銅製や鉄製の鉢形をした仏具で、銅鉢となります。

鳳凰文 磬」
時代有。彫りも細かいです。
高19×30.5×1.5

こちらは縁に「中原大宮檀方中明治四十一年七月中原山什四十一四」彫有。
高1.2×23.6×12.8

ブロンズレリーフもご紹介いたします。
朝倉 文夫 作。
女性像 レリーフ
台東区立朝倉彫塑館をご存じですか?
私は改装前に訪れておりますが、本当にくつろげる素晴らしい空間と御庭、日本家屋です。
厚1×径15.4

市橋 敏雄 作。
孔雀のレリーフ
新潟出身の作家です。
高30.3×27.4

今度蓮のブロンズ像たちも ご紹介いたします。

蓮では8/13〜19まで 夏期休業を頂きます。
お電話、FAX、メイルは通じますが、お返事は翌週になる場合が
ございます。ご了承下さいませ。
皆様 すてきな夏休みをお過ごしください。

2018年08月06日のつぶやき

八月に入り、本日よりカタログの受付が始まりました。
今月はなんと、200号となりました。
毎月こつこつと続けてきてここまできたのだなあ、と感慨深くこの数字を眺めました。
長年蓮を支えて下さっているお客様への感謝をこめて、また、これから出会うお客様共々、
末永くお気に召して頂けるものをお届けしたい、と願っております。

記念すべき号は、吉井勇・井口東白子・山口誓子・前田春声をはじめ、
初代首相(どなたかおわかりでしょうか?)軍人・公家・僧侶・まで、*幅ひろい書を
ご紹介しております。
暑い中にも時折涼しい風を感じるときがあります。
お道具も秋ものに移って参ります。
散華盆、鐘、燭台など、仏具もございます。
併せてご高覧下さいませ。

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2018年07月30日のつぶやき