2018年08月31日のつぶやき

雷雨の中、虫音の茶会を開きました。
これからの季節にぴったりのお道具やお軸が揃いました。

立礼にて、寄付には 風情ある虫の絵の 幸松 春浦「秋虫図」。
幸松 春浦は竹圃門、洋画、南画、それぞれの影響を受け新たな絵画を模索し、作風新鮮馴和を以て知られる、日本南画院同人。

脇には行灯の明かりうっすらと 秋の草花 蚊帳吊草、桔梗、風船葛が竹旬斎「掛花入」にいけられました。
香合は北川 敏楽「蓮の実 香合」 
思わず蓮の蓮の実で作ってみたくなりました。

中谷 博峰「瓢蒔絵 養老 茶器」
日本では殺生を禁ずる法令が六百二十二年に出され七百二十年(養老四年)大分の宇佐八幡で放生会がおこのわれたそうです。
上からの姿をご覧ください。

お茶碗は萊平焼「秋草 茶碗」
萊平焼は淡路焼、伊賀野焼ともいいます。京都で尾形周平に師事した加集萊平が始めました。
黄緑釉を施したものに特色があり、他に青磁・赤絵・彩絵物・朝鮮安南交趾写などがあります。
はじめて萊平焼に出会いましたが、味わいある焼き物でした。

茶杓は海野宗泰(造)松長剛山(箱書花押)「銘 清音 しみ竹 茶杓
蓋置は青磁の夜学の蓋置です。
行灯の灯りだけでのお茶会でしたが、水指は高野 昭阿弥「色絵 二閑人 水指」で鮮やかさが生まれました。
蓋をかけると裏に柘榴の絵が。
端にしがみつく二閑人が愛らしいですね。
一閑人(いっかんじん)は、井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついている。
閑人(ひまじん)が井戸を覗いているようなので別名「井戸覗き」ともいうそうです。
両側に人形があるものは二閑人、井戸枠だけで人形のないものは無閑人。勉強になりました。





お菓子は この時期旬のマスカットの「旬の雫」
瑠璃色の蓮華で頂きます。
干菓子は御山杉・焼印の四方盆に末富「行雲流水」と梅花亭「さざれ石」が
素晴らしいグラデーションになっています。




来月はどんなお道具と出合えるでしょうか?

 

2018年08月10日のつぶやき

お盆でお墓参りをされる方が多いと思いますが、*磬という仏具をご存じでしょうか。
広辞苑によりますと、【けい】「中国古代の楽器で、板や石をへの字形につくり、それを吊りさげて打ち鳴らす」
とありますが、太鼓類(膜の張ってある楽器)を除いた全種類を指す、体鳴楽器のことだそうです。
銅や響銅などの金属製碗状の本体を、一本の棒でうちます。
宗派、流派によって異なりますが、声明の合図に用いられるそうです。
同じ漢字で【きん】と呼ぶものは、読経の際に打ち鳴らす、銅製や鉄製の鉢形をした仏具で、銅鉢となります。

鳳凰文 磬」
時代有。彫りも細かいです。
高19×30.5×1.5

こちらは縁に「中原大宮檀方中明治四十一年七月中原山什四十一四」彫有。
高1.2×23.6×12.8

ブロンズレリーフもご紹介いたします。
朝倉 文夫 作。
女性像 レリーフ
台東区立朝倉彫塑館をご存じですか?
私は改装前に訪れておりますが、本当にくつろげる素晴らしい空間と御庭、日本家屋です。
厚1×径15.4

市橋 敏雄 作。
孔雀のレリーフ
新潟出身の作家です。
高30.3×27.4

今度蓮のブロンズ像たちも ご紹介いたします。

蓮では8/13〜19まで 夏期休業を頂きます。
お電話、FAX、メイルは通じますが、お返事は翌週になる場合が
ございます。ご了承下さいませ。
皆様 すてきな夏休みをお過ごしください。

2018年08月06日のつぶやき

八月に入り、本日よりカタログの受付が始まりました。
今月はなんと、200号となりました。
毎月こつこつと続けてきてここまできたのだなあ、と感慨深くこの数字を眺めました。
長年蓮を支えて下さっているお客様への感謝をこめて、また、これから出会うお客様共々、
末永くお気に召して頂けるものをお届けしたい、と願っております。

記念すべき号は、吉井勇・井口東白子・山口誓子・前田春声をはじめ、
初代首相(どなたかおわかりでしょうか?)軍人・公家・僧侶・まで、*幅ひろい書を
ご紹介しております。
暑い中にも時折涼しい風を感じるときがあります。
お道具も秋ものに移って参ります。
散華盆、鐘、燭台など、仏具もございます。
併せてご高覧下さいませ。

#茶碗 #茶会 #茶道 #掛軸#書画 #TeaCeremony #TeaBowl #Matcha #pottery #ceramics #kakejiku

2018年07月30日のつぶやき

2018年07月26日のつぶやき

厳しい暑さが続きます。
なんど言葉に出しても暑さが過ぎぬなら、涼やかな籠に草花をいけたり、そのまま飾って涼を感じてみませんか?
先の 智美術館で目にいたしました、あの籠の名品は手元におけずとも、
蓮では気軽なものを多数取り扱っております。
この夏、いかがでしょうか?
水谷 六々斎「竹籠」
一見どれも同じにみえるかもしれませんが、竹表面の一皮を削って染める「着色法」、
竹の脂を抜く「柔竹法」、竹を二枚重ねて編む「二枚がけ」など、
その取り扱いによって色合いも変わります。
組み方も、「ざる目」「四つ目」「もろ目」など。
編み方は「縄編み」「松葉編み」など、
一本の竹にこれほどの美を見いだせる感性と、それを形にしてしまう技にため息が出ます。

作者は不明ながら、どの花をいけよう、と創作意欲がかきたてられる籠です。

もっと気軽に自宅の草花をさしてみるだけでも、気持ちがよいものです。

秋が年々短くなってきましたが、次回カタログはいよいよ200号となります。
長年支えて頂いたお客様の御期待に添う、秋の品々をご用意して、
来月はじめにはお届け申し上げたく、よろしくお願い申し上げます。
皆様くれぐれもお大切にお過ごし下さいませ。

2018年07月09日のつぶやき

この度の平成30年7月豪雨で被害にあわれました方々、離れて住むご家族ご親戚の皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。
蓮でも両親、兄弟妹などが避難しておりましたので、当事者の皆様のお気持ちいかばかりかと、一日でもはやいご帰宅がかないますことを
お祈りしております。
実は先週末に新しいカタログをお送りするべく準備しておりましたが、関西以南への発送が停止となっております。
お待ち下さる方々には申し訳ございませんが、ご了承のほどお願い申し上げます。
今回は、幕末志士の書や、公家の和歌、お詳しい方には 鹽谷青山、高山彦九郎の書もございます。
お道具では 涼やかな竹籠、一足早く酒器なども取りそろえております。
ご高覧、ご注文の程お待ち申し上げております。
#幕末志士 #公家和歌 #俳句 #酒器 #竹籠

清涼の茶会

一段と暑い風が吹く一日となりましたが、連店内ては、それを忘れるかのように涼を集め、
立礼式でお稽古をいたしました。
寄付には 後藤 瑞巖 宗硯「竹葉々起清風」
虚堂和尚が旅に出る友に贈った詩で、「相送当門有修竹爲君葉葉起清風」の一節です。
別れゆく君に餞別は何も無いが、門前の修竹の葉がさやさやと清風を起こし別れを惜しんでいる。
竹の葉ずれが聞こえてくるかのようです。
お花も涼しげな、宗旦木槿・下野・水引草を、「銅製 竹籠風 掛花入」にいけました。
今回も自分たちで育てたものです。
丸谷 端堂「青銅 笹蟹文香合」も涼を添えます。

「唐銅 朝鮮風炉 釜」に大野 鈍阿「舟形 焼〆 水指」
黒田 宗傳 竹蓋置」
色合い素材が調和しています。



今回お茶碗がすてきでした。
ふんわりしたお抹茶の色合いを、それぞれご覧ください。
「瀬戸唐津 平茶碗」江戸期のものです。
色合い、手触りにうっとりいたしました。
人形屋 幸右衛門「楽焼 描分 平茶碗」
とても小さい平茶碗ですが、なんともいえない色合いとサイズが愛らしいお茶碗です。



お菓子もご注目下さい。
今木屋さん特性「水無月」。どっしりした大きさなのに、
黒糖でさっぱりした甘さ。
お干菓子はスタッフ手作り 「琥珀糖」
こちらも梅酒とオリゴ糖でしつこくない甘さです。
夏のお道具揃えはなかなか難しいのですが、
猛暑の中バスを待つ方々にもお声をかけたくなる、
心地良いお茶席でした。
来月はお休みですので、次回は八月末となります。
皆様連日の暑さ、どうかご自愛下さい。