ダヴィンチ展

盛期ルネサンスの代表巨匠2人が上野の森にやってきていました。

まずは東京都美術館ダ・ヴィンチ展。
生前の天才が残した手記がたくさん来ていて、それはもうどれも興味深かったです。
万物の尺度としての人体、科学・人間心理の総決算としての絵画。
その思考の多くに共感します。

天才の知的好奇心は幾分行き過ぎたものです。
ダヴィンチは、病院で死者が出ると片っ端から解剖してゆきました。
しかし情熱が行き過ぎたため、ローマ教皇様に解剖禁止令を出されてしまいました。

ダ・ヴィンチの万能さは確かに空前絶後の天才ですが、現存する油彩作品は十点ほどです。
展覧会でも触れられていましたが、移り気好奇心ゆえの多くの失敗作群…
展覧会ではさも華々しく語っていますが、よく考えたらダヴィンチ様(とその弟子達)かわいそうだ…という点多数でした。

解決困難でより本質的な問題に、物質性を超えて近づこうとして行く試行を500年の時を超えて目の当たりにしました。
都美館は、とにかく人が多すぎますね。

そして時期同じくして国立西洋美術館ラファエロ展があっていました。
何度も試みましたが、来場者が多すぎ、毎度断念し結局見に行けませんでした。(西洋絵画に対する根気が足りません。)
先月の美術手帖ラファエロ特集でした。

ラファエロは初期ルネッサンスのクライマックスを飾る画家ですね。
全美術史上最も巨匠を輩出したと言われる「盛期ルネッサンス」の三十年間。
ダヴィンチ先輩に、ミケランジェロ先輩に、ラファエロ後輩です。
しかしその死後、「美の規範」となったラファエロ登場の以前に回帰しようとする否定運動が起こります。
これが「ラファエル前派」です。

なんと「ラファエル前派」が2014年1月に森アーツセンターギャラリーに巡回します。
テイト美術館誇る名品が六本木にやってきます。
「オフィーリア」がやってくるそう!!

楽しみですね。