月点前 茶道稽古

すっかり秋も深まり、運動会シーズンですね。
小学校などの前を通ると、綺麗な万国旗がならんで色とりどりの運動帽子に思わずほころびますね。

さて、10月の茶道稽古「月点前」を行いました。

今月も茶箱でしたが、稽古では初めての器据を使ったお稽古でした。

「月点前」は秋に寄せられ、裏千家十一代家元・玄々斎に創案されました。
器据(きずえ)という四枚の板を使うのが特徴で、茶箱の中では最も優雅で美しい点前です。
この器据をひろげてその上へ諸道具を置き合わせます。


塗師 宗明 「茶箱 揃」、「溜塗 ヘギ目爪紅 茶箱 揃」
店の稽古は宗和流です。
茶箱と言えばお裏さんですが、江戸時代後期以降でしょうか、茶箱が非常に流行った時期があり様々な流派が茶箱点前を楽しんだそうです。
先生によると「宗和流でも茶箱はしますよ、真・行・草あります。」とのことです。

窓良子 「奥のほそみちのうち 萩之月」
一家に遊女も寝たり萩と月 松尾 芭蕉  
一つの宿に遊女とたまたま居合わせた。世捨て人の私と遊女とは妙な組み合わせだが、庭に咲く萩と天空の月という秋の夜の風景ともどこか似ているようで、これもまた趣がある。
宝永七年歿八十歳渓雲院月という秋の夜の風景ともどこか似ているようで、これもまた趣がある。

本床掛け物は、
中院 通茂 「水辺萩」  行水に 影をうつして さく萩の 辺にながく いねの玉阿
公家。通純の子、歌道を始め筆道・音楽等に通じる、また熊沢蕃山の高弟でもある。

店の庭先にある萩を沢山切ってきたところ、先生が、そのままで素敵だから掛花にして飾りましょうという事になり、急遽掛花を用意して飾りました。

竹元 郁雄「筒 掛花入」91602563
先生は特にお気に入りだったようで、「素敵よねえ」と何度もおっしゃっていました。

「竹魚篭」
花は、芒、杜鵑草 、藤袴、萩、鶏頭


「銀瓶(什器)」
風炉は、「信楽焼 木の葉透かし 瓶掛」
敷板は、「織部(什器)」


伊藤 隆雲 「菊 茶碗」、「仁清写 秋草茶碗」

建水は少し変わったもので、大根や蕪などの根菜の絵柄の染付でした。
橋本明治「根菜絵 手捻染付建水」

「高取 掛分 瓢透し 菓子鉢」
菓子は栗どらやき (京都伊藤軒)

干菓子器は、手箕(てみ)に花豆甘納豆。

今月も勉強させて頂きました。
つかのまの秋に感じ入りました。