うらめしや〜、冥土のみやげ展

芸大美術館で開催中の三遊亭圓朝コレクションを中心とした幽霊画の展覧会に足を運びました。
日本美術史における「うらみ」の表現をたどれるひんやりする展覧会でした。
(もともと震災後の2011年に開催予定だったそうですが延期されたそうです。)

怪談噺で名人と称せられ、また幽霊画のコレクターでもあったた圓朝は、約100幅の幽霊画を蒐集、所蔵していたと伝えられているそうです。
三遊亭圓朝(1839−1900)は、幕末〜明治期に活躍した噺家です。
江戸湯島に生まれ,8歳で2代三遊亭圓生に入門。一方、12歳で歌川国芳に入門して浮世絵師を志します。16歳で圓朝を名乗り、場末の席で真打をつとめるようになる。本名出淵(いずぶち)次郎吉。

「幽霊画」というだけあって間口が広く見やすい展示でした。
展覧会の構成もおもしろく、掛軸群の前に結界がはりめぐらされていたり、
どこからともなく幽霊のうめき声のようなものが聞こえ、一瞬、自分もついに聞こえるようになっちゃったか…となりましたが、そういう仕掛けの音響でした。
多くの作品の所蔵が福岡市博物館でした。
福岡市博物館の所蔵する幽霊画は旧吉川観方コレクションと言い、日本1,2を争うの幽霊・妖怪画コレクションです。

巨匠の作品が集う中、
曾我蕭白《美人図》、伝円山応挙《幽霊図》、
とくに月岡芳年芳年戯画 応挙の幽霊 雪舟活画」は興味をそそられました。
第3章の『錦絵による〈うらみ〉の系譜』も興味深かったです。
四谷怪談』のお芝居で使われた人形なんかはグロくて直視したくなかったですが。

「うらめしや 冥土のみやげ」展
2015年9月13日(日)明日まで!
開催会場:東京藝術大学大学美術館 地下2階展示室
http://www.tokyo-np.co.jp/event/urameshiya/

うらめしや展に便乗してお品をご紹介

作家名:柴田 是真
作品名:「老婆鬼腕を持去る図」
総丈:188×41.8cm
詳細:絹本・彩色・状態良(ヤケ少々、オレ少々)一文字金襴・中廻錦・上下金襴・合箱
作家詳細:蒔絵を阪内寛哉に学ぶ。画は鈴木南嶺の門。後京都で岡本豊彦に付き研鑽し、画風一格を成す。近代の名手。帝室技芸員。明治二十四年歿八十五歳
商品番号:91602007
渡辺綱が一条戻橋に差しかかると若い美女(茨木童子)が道に困っているのを、馬に乗せると女は突然鬼姿になり綱の髪の毛を掴み、空に飛び上がって愛宕山に連れ去ろうとします。
綱は慌てず名刀・髭切で鬼の腕を切って難を逃れました。綱の唱える仁王経や護符の力で屋敷に入ることがでず、綱の伯母に化けて屋敷に入り、片腕を奪い返した茨木童子の絵です。
同じ画題で月岡芳年の作品が展覧会に出ていましたね。



作家名:吉田 芳明
作品名:「鬼念佛」
内寸:高13.2×20.2×12.8cm
詳細:状態良・台背面に彫銘・昭和七年筆・共箱(ヤケ大)
作家詳細:彫刻家、島村俊明に牙彫,木彫を師事、吉田白嶺の弟。文展帝審査員。長谷川栄作の師でもある。昭和二十四年歿七十五歳東京の人
商品番号:91503522


作家名:大心 義統
作品名:「不△地獄不住天上非聖非化 布袋和尚」
総丈:118×26.2cm
詳細:紙本・状態並(本紙中心に横一本オレ大、オレ少々、ヤケ少々)一文字印金・中廻綸子・上下袿(ツカレ少々、上部虫穴少々)合箱
作家詳細:江戸中期臨済宗大徳寺二七三世、天倫宗忽に師事、泉南禅楽寺・江戸東海寺勝幢庵にも住す。薬事、墨画を能くす。表千家六代覚々斎など義統に参禅した。享保十五年歿七十四歳京都生
商品番号:91306732


作家名:岩崎 巴人
作品名:「世の中をとかく思わねる多く鬼ひ念仏申しそうべきや 鬼画賛」
総丈:118×26.2cm
詳細:紙本・墨彩・状態良・格子織・上下袿・合箱
作家詳細:紙本・墨彩・状態良・格子織・上下袿・合箱
商品番号:91602021 売済みとなりました


作家名:小早川 清
作品名:「秋の野 美人図」
総丈:210×49.3 cm
内寸:125×36 cm
詳細:絹本・色彩金泥・状態並(ノリシミ全体に有、顔に極少有、オレ少々)一文字金襴・中廻緞子・上下袿(上下水シミ大、シミ点少々)・合箱
作家詳細:清方門、人物得意。昭和二十三年歿五十一歳福岡生
商品番号:91602120


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