井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ

青山 根津美術館で開催されています、高麗茶碗の王者といわれる井戸茶碗の展覧会に足を運びました。

井戸茶碗は「一井戸、二楽、三唐津」と云われる三代茶碗の王者です。
井戸茶碗の中で名物手井戸を大井戸と言います。
大井戸茶碗の著名なものに、喜左衛門、有楽、筒井筒、美濃、浅野、細川、加賀、宗及、九重井戸がありますね。
井戸茶碗は李朝初期ごろに焼かれ、室町時代中に渡来したそうで、最初に珍重し始めたのは堺の商人たちでした。井戸の名の由来は諸説あるそうで、「井戸若狭守が所持していた」「朝鮮語釉薬のことを衣土というのでその転訛であろう」など言われているそうですが、はっきりしません。


根津美術館蔵「小井戸茶碗 銘 忘水」
大井戸茶碗よりも小ぶりなものを小井戸、古井戸といいます。
小さいだけでなく高台も低く小さく、量感は落ちますが、味わいはいっそうデリケートで、茶の侘びの好みにはまる枯れたたたずまいです。小井戸は大井戸よりも時代が下がり李朝中期ごろ作られたものとみられています。六地蔵と忘水(わすれみず)はもっとも名高い中興名物です。


根津美術館蔵「青井戸茶碗 銘 柴田」
柴田勝家の所持した名器で、やや枇杷色の釉色、これほど青井戸としての見所を具えた茶碗はありませんね。展示にはそのほかにも、舛屋、蓬莱などの青井戸の名物がならびました。

そして井戸に似ていながらも、いくらか種類が違うものを井戸脇茶碗と呼びます。
井戸脇茶碗の特色を一概に言う事はできません。

根津美術館は本当にすてきな美術館ですよね。
写真を撮影してきていませんでしたが、都会の喧噪を感じさせない中庭と、茶室に流れる時間はとても美しいです。

ということで蓮からの茶碗のご紹介。

最高ですね…うっとり…

作家名:「唐津古窯 木目庵 秘蔵」箱書有
作品名:「銘 暁露 茶碗」
総丈:高6×径11.8 cm
詳細:状態並(口縁に一ヶ所5mm程の古いカケ有)箱入(箱イタミ少々)小振りなり
商品番号:91409063


掛け分け風のなめらかなカイラギで高台に兜巾があり、口縁から内外に釉がたれ落ちる景色がこの茶碗の魅力でしょう。

作品名:「井戸 茶碗」
総丈:高8×径14.4 cm
詳細:状態良・合箱
商品番号:60113213


蝋抜き(ろうぬき)溶かした蝋で素地に模様を描き、施釉すると蝋の部分だけ彩釉を弾く技法。
箱書きには「抜蝋」となっています。

「紫門山」、王宮の山と云うことでしょうか?
作家名:新井 孚鮮
作品名:「法勝寺窯 抜蝋 茶碗」
総丈:高8.7×径12.1 cm
詳細:腹に「紫門山」蝋抜文字・状態良(土見に茶シミ極少)高台脇押印・共裂・栞添・共箱
作家詳細:東美卒、明治三十九年中国に渡り、書の大家李瑞清に師事、書・南画を学ぶ。帰国後は「今鉄斎」の異名をとる。大正九年洋画から陶芸に転向し孚鮮陶画房を開業、以後は中国及び朝鮮古陶磁研究に専念する。清水公照師の不老洞の陶芸は孚鮮の指導による。昭和四十一年歿八十二歳三重生
商品番号:91404021


作家名:清峰
作品名:「高麗写 平茶碗」
総丈:高5.2×径14.4 cm
詳細:花三島・状態良・共箱
※こちらの商品は売約済みとなりました。ありがとうございます。
今月もカタログ154号の受付が始まります。
鬼丸 雪山、上田直方、香取 正彦、板倉 新兵衛、いそべ たつお、中林 悟竹、洪 小南、桂洲 道倫。
赤珊瑚、白珊瑚、細川流 盆景道具、アカシア材 蓮彫 中棗、河本 五郎……
などなど盛りだくさんご用意しております。お楽しみに!!

井戸茶碗の展覧会もお運びする事おすすめいたします。
「特別展 井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ」
会期:2013年11月2日(土)〜12月15日(日)
会場:根津美術館表参道駅徒歩8分)
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

・参考文献:杉浦澄子著「茶碗の基礎知識」-雄山閣出版
・展覧会作品画像は公式サイトから引用させて頂いております。

その他でも蓮オンラインショップで様々な茶碗をご案内しております。
http://jikoh.co.jp/?cat=9